前歯のマウスピース矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
こどもの出っ歯は放置してはいけない?矯正方法や期間、費用を解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
こどもの出っ歯を放置すると、将来的にさまざまな問題を引き起こす可能性があります。出っ歯の矯正治療は、見た目だけでなく、お子さまの健康を守るためにも重要です。
今回は、こどもの出っ歯の原因と、将来の健康にどのような影響を及ぼすのか詳しく解説します。矯正治療の必要性や、治療方法、期間、治療費用もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
出っ歯とは?
出っ歯とは、歯列異常の一つで、上下の歯の噛み合わせが正常でなく、特に上顎(上の歯)が前方に突き出ている状態のことです。上顎前突(じょうがくぜんとつ)ともよばれます。
上顎が前方に突出しているため、口元が前に突き出て見える、下顎が後退して見えるなど、審美性に大きく影響します。
出っ歯が口元の見た目や全体的な健康に及ぼす影響には個人差があるため、状態の正確な診断と適切な治療が非常に重要です。
こどもが出っ歯になる原因
出っ歯になる原因は、以下のとおりです。
口周りの癖がある
こどもの出っ歯が発生する原因として、口周りの癖が挙げられます。特に多いのは指しゃぶりでしょう。
指しゃぶりが続くと、前歯が前方に傾斜することで出っ歯になります。また、舌を前に突き出す習慣も、出っ歯の原因となり得ます。
軽い力が歯並びに影響を及ぼすとは思えないかもしれませんが、実際に口周りの癖が出っ歯を引き起こすケースは少なくありません。長時間力がかかり続けると、歯が動くのです。
鼻呼吸ではなく口呼吸をしているこどもも、出っ歯のリスクが高まります。
歯と顎のサイズのバランスが悪い
こどもが出っ歯になる原因は、必ずしも悪い癖だけではありません。歯と顎のサイズのバランスが原因となることもあります。
特に、上の歯が全体的に大きい場合、歯を並べるために必要なスペースが足りず出っ歯になることがあります。歯のサイズと顎のスペースが不釣り合いな場合、出っ歯の症状が現れるのです。
こどもの出っ歯を放置するリスク
こどもの出っ歯を放置するリスクを確認しましょう。
見た目にコンプレックスを抱く
口を閉じた際に唇から前歯がはみ出る状態では、見た目にコンプレックスを抱えやすくなります。社交性に影響を及ぼし、引っ込み思案な性格を形成するかもしれません。
発音に影響が出る
こどもの出っ歯を放置すると、発音にも影響を及ぼすことがあります。サ・タ・ラ行の発音は、舌を上の歯に当てて行います。
出っ歯の場合、前歯が突出しているため空気が抜けやすく、きれいに発音するのが難しくなるのです。
言葉はコミュニケーションの基本であり、正確な発音は非常に重要です。出っ歯による発音の問題は、こどもの言語能力の発達にも悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
出っ歯は、口をしっかり閉じるのが難しくなることがあります。口が常に開いていることで、口の中が乾燥しやすくなります。
口内が乾燥すると虫歯菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。口呼吸が続くことで、呼吸器系の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
胃腸に負担がかかりやすい
前歯には、食べ物を噛み切る重要な役割があります。出っ歯の場合、食べ物をうまく噛み切れません。
大きな塊のまま胃腸に送られることになります。消化不良を引き起こす原因となり得るでしょう。
こどもの出っ歯を矯正する方法
小児矯正にはさまざまな治療法が存在します。詳しく確認しましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、金属のワイヤーとブラケットを用いる方法です。長い歴史と実績を持ち、出っ歯を含むほぼすべての歯並びの問題に対応可能です。
通常、永久歯が生え揃ってから行う2期治療で使用されます。
マウスピース矯正
口周りの筋肉の発達を促進し、自然な歯列へと導く治療法があります。シリコン製のマウスピースを使用し、日中1時間と就寝中に装着することで、歯並びの改善を目指す治療です。
学校や外出先などの公共の場で装着する必要がないため、こどものストレスや負担を軽減できることが大きなメリットです。
マウスピースの装着とあわせて、MFT(口腔筋機能療法)という特別なトレーニングを行います。口呼吸や指しゃぶり、舌の癖などの問題も改善できるでしょう。
特に5~15歳のこどもに適しており、出っ歯だけでなく口腔機能全体の健康を促進できます。マウスピースと筋機能療法の組み合わせることで、出っ歯の根本的な原因を改善するのです。
こどもの出っ歯を矯正するためにかかる期間
こどもの出っ歯を矯正する際の治療期間は、治療を開始する時期によって異なります。顎の成長を利用する1期治療では、通常1~2年程度必要です。
1期治療では出っ歯の改善が十分でない場合や、より細かい歯並びの調整が必要な場合は、2期治療が必要になります。2期治療の期間は、1~3年程度が一般的です。
こどもの出っ歯を矯正するためにかかる費用
こどもの出っ歯を矯正するためにかかる費用は、以下のとおりです。
・ワイヤー矯正:700,000~1,000,000円
・マウスピース矯正:200,000~700,000円
費用は歯科医院によって異なるため、詳細は直接確認しましょう。
こどもが出っ歯になるのを防ぐ方法
こどもが出っ歯になるのを防ぐ具体的な方法をご紹介します。
日常の癖を改める
こどもが出っ歯になるのを防ぐためには、日常生活における小さな癖に注意することが重要です。こどもは無意識のうちに指しゃぶりなどの行動をとることが多く、口周りの筋肉や顎の発達に悪影響を及ぼすことがあります。
特に、以下の癖がある場合は、早めに改善することが大切です。
・3歳を過ぎても指しゃぶりやおしゃぶりの癖が続いている
・姿勢が悪く猫背になっている
・頬杖をつく
・うつぶせ寝をする
・爪を噛む癖がある
食事中にこどもの姿勢が猫背になっていないかをチェックしてあげましょう。
小学生になると、机に座って頬杖をつく癖がつくことがあります。片方の顎に力が加わり、顎の変形や歯の傾きを引き起こすので注意が必要です。
口周りの筋肉や顎の発達を促す
乳幼児期には、母乳を飲ませることが推奨されています。母乳を飲む際に必要な吸う力と嚥下(えんげ)する力が、口唇や口腔周囲筋などの口周りの筋肉の発達を促し、顎の大きな発達に役立つからです。
口周りの筋肉が発達することで口腔内の機能が向上し、歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保できます。最近では、母乳のように力を入れて吸わなければならない哺乳瓶も市販されているので、活用を検討してもよいでしょう。
幼児期(1歳から小学校入学まで)には、顎や口周りの筋肉の発達を促すために、硬いものを食べさせることが大切です。ナッツ類やりんご、梨、おせんべいなどの硬い食べ物をおやつとして与え、よく噛む習慣をつけましょう。
1口につき30回程度噛むことを習慣にすると、口周りの筋肉が発達します。歯並びの悪化を予防するだけでなく、唾液の分泌が促進されて虫歯の予防にもつながるでしょう。
前歯で噛み切り、奥歯でしっかり噛んでから飲み込む練習を行うことも重要です。
舌の位置を正す
こどもが出っ歯になるのを防ぐためには、舌の位置に注意することが重要です。舌の正しい位置は、上の前歯の裏側についている状態とされています。
食事の変化や日常の癖により、舌の位置が本来あるべき位置よりも低くなる「低位舌(ていいぜつ)」になっているこどもが多くなっています。舌の位置が低くなると口呼吸になりやすく、顎の成長に影響を及ぼして出っ歯になる可能性があるでしょう。
こどものうちから正しい舌の位置を覚えるトレーニングを行うことが大切です。舌、唇、口周りの筋肉が適切に発達することで、歯並びの土台となる上顎の成長を促せます。
鼻呼吸を意識する
こどもがリラックスしている際に口がポカンと開いている場合、口呼吸になっている可能性が高いです。口呼吸が習慣になると、顎や舌の位置が下がります。
口周りの筋肉や顎の骨が十分に発達せず、噛み合わせが悪くなって出っ歯になるリスクが高まるでしょう。
口呼吸によって口腔内が乾燥すると、虫歯や歯周炎になるリスクが高まるだけでなく、アレルギー症状を引き起こしやすくなるなどの身体への健康リスクも増えます。口呼吸の習慣がある場合は、口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを行って鼻呼吸に改善することが重要です。
定期的に歯科医院を受診する
乳歯が生え始めた頃から、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。乳歯は自然に抜けるから虫歯になっても問題ないと考える方が多いですが、適切なケアを怠ると永久歯の歯並びが悪化することがあります。
また、こどもが外傷や虫歯で歯を失うと、あいたスペースに隣の歯が移動して歯並びが乱れることもあるでしょう。そのため、専門家の診察を受けることが大切です。
まとめ
こどもの出っ歯の原因は、指しゃぶりや舌の癖、口呼吸などの習慣によることが多いです。口周りの筋肉や顎の発育に影響し、歯並びの悪化や不正咬合を引き起こすリスクがあります。
出っ歯を放置すると、見た目の問題だけでなく、発音や消化など健康面にも影響を及ぼすため、早めに対応しましょう。
こどもの出っ歯の矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
マウスピース矯正の平均治療期間は?延長になるケースも解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
マウスピース矯正を検討する際は「何年くらいかかる?」「いつ頃終わる?」と考える方が多いです。平均治療期間を知れば、安心してマウスピース矯正を開始できるかもしれません。
今回は、マウスピース矯正の平均治療期間や期間の長さを決める要素、延長になるケースなどを解説します。計画どおりに矯正治療を終わらせるための方法もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
マウスピース矯正の平均治療期間
マウスピース矯正の治療期間は、大きく2つに分類されます。
・矯正治療の期間
・治療後の後戻りを防止する期間
矯正治療は、歯並びが整えば終わりではありません。マウスピース矯正に限らず、矯正治療後は歯がもとの位置に戻ろうとする後戻りが起こります。後戻りを防止するためにリテーナーを装着し、歯並びを保定する期間が必要です。
それぞれの平均期間をまとめました。
矯正治療の期間
矯正治療にかかる期間は、部分矯正か全体矯正かによって大きく異なります。
・全体矯正:2〜3年
・部分矯正:6か月〜1年
部分矯正は、主に前歯部分の歯並びを整える治療です。動かす歯の本数が少なく、移動距離も短いので、全体矯正に比べて治療期間が短くなる傾向があります。
治療後の後戻りを防止する期間
矯正治療後の後戻りを防止するために必要な期間は、1〜3年程度です。
保定期間をどのくらい設けるかは歯科医師によって見解が異なり、矯正治療にかかった期間と同程度とする場合もあります。口腔内の状況や症例によっても変動するでしょう。
後戻りを防止する保定期間中は、歯や歯周組織を安定させるためにリテーナーという保定装置を装着します。リテーナーを正しく装着しなかった場合、歯がもとの状態に戻り、再び矯正治療をしなればなりません。
理想的な歯並びや噛み合わせを定着させるための大切な期間なのです。
マウスピース矯正の治療期間の長さを決める要素
マウスピース矯正には部分矯正と全体矯正があり、それぞれ平均的な治療期間が異なります。精密検査の情報をもとに治療計画を立て、おおよその治療期間が決まります。
マウスピース矯正の治療期間の長さを決める要素は、下記のとおりです。
症例と程度
症例と程度は、マウスピース矯正の治療期間の長さを左右します。マウスピース矯正で治療可能な症例と治療期間の目安は、以下のとおりです。
・すきっ歯:6か月〜1年半
・叢生(ガタガタした歯並び):3か月〜2年
・出っ歯:7か月〜1年
症例だけでなく、歯並びの乱れが軽度か重度なのかによっても治療期間が異なります。
同じすきっ歯でも、軽度であれば治療期間が短くなります。重度の場合は歯の移動距離が長くなるので、治療期間も長くなるのです。
抜歯の有無
抜歯の有無も、マウスピース矯正の治療期間を大きく左右します。
当然ながら、抜歯が必要なケースでは抜歯後の傷が治癒する期間を設けなければなりません。抜歯後すぐにマウスピース矯正を始められるわけではないのです。
また、歯を動かす距離が長くなるので矯正期間も長くなるでしょう。
なお、抜歯が必要な症例は、マウスピース矯正が不可能なケースもあります。
マウスピース矯正の治療期間が延長になるケース
マウスピース矯正を開始する前に、歯科医師からある程度の治療期間の目安を知らされます。
しかし、予定していた矯正期間で治療が完了しないケースも珍しくありません。マウスピース矯正が延長になる理由は、次のとおりです。
マウスピースの装着時間が短い
マウスピースの装着時間が短いと、予定どおりに歯が動かず、治療が延長になることがあります。
マウスピースの装着時間は使用するマウスピースのブランドによって異なりますが、一般的に20時間以上です。食事や口腔ケア、マウスピースの洗浄をしている間を除き、ほとんどの時間装着する必要があります。
「マウスピースを外したあと、うっかり装着し忘れた」「長い時間装着するのはストレスだから装着する時間を短くしよう」など、装着時間が短くなると矯正期間が長引くでしょう。
マウスピースを正しく装着していない
マウスピースや顎間ゴムを正しく装着していないと、予定どおりに歯が動かない可能性や、違う方向に歯が動く可能性があります。マウスピースは、親指を使って奥歯からしっかりと装着しましょう。
虫歯や歯周病で治療を中断した
マウスピース矯正の途中で虫歯や歯周病になった場合、矯正治療を中断して治療をしなければなりません。治療を中断している間に歯並びが変わる可能性があり、マウスピースの作り直しが必要になることもあるでしょう。
虫歯や歯周病の治療期間や、新しいマウスピースの到着を待つ期間を考えると、マウスピース矯正の治療期間が大幅に延長になる可能性があるのです。
喫煙している
喫煙している場合、矯正期間が延長になる可能性が高くなります。ニコチンの影響で歯茎の血行が悪くなり、歯周組織の再生が妨げられるからです。
そのため、歯が動く、歯周組織が安定するなど、マウスピース矯正に必要な過程が完了するのに時間がかかります。
また、喫煙者は歯周病になるリスクが高いことがわかっています。歯周病になると矯正治療が延長になる可能性が高いので、注意する必要があるでしょう。
マウスピース矯正を計画どおりに終わらせる方法
マウスピース矯正の期間が延長になると、経済的な負担が大きくなります。計画どおりに終わらせるために、下記の点に気をつけましょう。
マウスピースの装着方法を守る
マウスピース矯正の期間を延長させないためには、マウスピースの装着方法を守ることが重要です。装着時間を守って、正しく装着してください。
マウスピースの装着中に違和感がある場合は、継続して使用せずすぐに歯科医院で確認してもらいましょう。マウスピースがきちんとフィットしていない場合、迅速に対応する必要があります。
口腔ケアを怠らない
矯正治療中は、口腔ケアを怠らないように気をつけましょう。マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べると口腔ケアを容易に行えますが、丁寧にケアしなければ虫歯や歯周病になりかねません。
歯ブラシに加え、タフトブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなども使用してきれいに磨きましょう。
また、きれいに磨いているつもりでも、磨き方には癖があります。同じ部分に汚れが溜まり続けると、虫歯や歯周病の原因になるので要注意してください。歯科衛生士からブラッシング指導を受け、正しい磨き方をマスターしましょう。
禁煙する
タバコを吸っている場合は、マウスピース矯正を開始する前に禁煙してください。上述したように、喫煙していると矯正治療がスムーズに進みません。
矯正治療に悪影響を及ぼすだけでなく、がんなどさまざまな病気の原因にもなります。理想的な歯並びを手に入れて健康な生活を送るためにも、禁煙しましょう。
経験豊富な歯科医師の治療を受ける
マウスピース矯正の経験が豊富な歯科医師から治療を受けることも重要です。経験豊富な歯科医師ならば、精密検査の結果に基づいて症例に適した治療計画を立てられるでしょう。
また、矯正治療中は何らかのトラブルが発生することが多いです。マウスピースが浮く、マウスピースが壊れたなど、急なトラブルが起こっても迅速に対応してくれます。
経験豊富な歯科医師の治療を受ければ、矯正期間が延長になるリスクを抑えられるのです。延長になった場合でも、最善の治療法を提案してくれるでしょう。
まとめ
マウスピース矯正の平均治療期間は、部分矯正で6か月〜1年、全体矯正で2〜3年です。治療期間に加えて、1〜3年程度後戻りを防止する期間を設ける必要があります。
治療期間は、症例や程度、抜歯の有無に大きく左右されます。マウスピース矯正の治療期間が延長にならないために、マウスピースの装着方法を守り、口腔ケアを徹底しましょう。
経験豊富で信頼できる歯科医師の治療を受けることも大切です。
マウスピース矯正は長期に及びます。歯科医師やスタッフとよい関係を築き、スムーズに治療を進めましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
小児矯正の1期治療のみで歯並びは整う?2期治療が必要なケースとは
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
「こどもの矯正治療に興味がある」「小児矯正にはどんな種類があるの?」「小さいうちから矯正を始めるメリットはある?」など、小児矯正に疑問がある方も多いでしょう。
今回は、小児矯正の1期治療に焦点を当て、内容や期待できる効果について解説します。1期治療のみで歯並びが整うのかどうかも解説するので、ぜひ参考にしてください。
小児矯正の1期治療とは?
小児矯正には1期治療と2期治療があります。
1期治療は、主に顎の成長を促進して歯列のアーチを拡大することを目的としています。2期治療は、大人の矯正治療と同様にすでに生えている永久歯の歯並びを整えることが目的です。
1期治療では、こどもの成長を利用して「将来的に永久歯が適切に生え揃うためのスペースを作る」ことを目指します。歯並びが乱れる主な原因は、歯が生え揃うためのスペースが不足していることです。例えば、顎の骨が小さい場合や、顎のサイズに対して歯が大きい場合、歯並びが乱れるリスクが高まるでしょう。
1期治療では、歯並びの問題を防ぐために、永久歯が生え揃えるスペースを作ります。
1期治療で使う矯正装置
1期治療で使う矯正装置は、以下のとおりです。
・拡大床(かくだいしょう)
・プレオルソ
・インビザライン・ファースト
・急速拡大装置
・ヘッドギア
さまざまな矯正装置があり、こどもに適した治療法が選択されます。それぞれ詳しく確認しましょう。
拡大床(かくだいしょう)
拡大床は、レジン製のプレート、ワイヤー、ネジを組み合わせた取り外し可能な矯正装置です。プレートを上顎にフィットさせ、ワイヤーを歯に引っかけて固定します。
埋め込まれたネジを定期的に回すことで、歯列を徐々に外側へ拡張する装置です。食事や歯磨きの際には外せるため、口腔内を清潔に保ちやすく、清掃しやすいことがメリットでしょう。
ただし、拡大床では顎の骨自体を広げることはできません。歯を傾斜させて歯列を広げます。
1日に12〜15時間の装着を推奨する歯科医院が多いです。
プレオルソ
プレオルソは、柔らかい素材で作られたマウスピース型の矯正装置です。使用する時間は日中1〜2時間と就寝中なので、お子さまへの負担を軽減できます。
主に、こどもの歯並びに影響を与える悪い習慣を改善するために用いられます。具体的には、指しゃぶりや舌の癖、口呼吸などが挙げられるでしょう。
プレオルソで癖が改善されれば、将来的な歯並びの問題を予防する効果が期待されます。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、こども向けのマウスピース矯正です。透明なマウスピースを使って、顎の発育をサポートしながら歯並びを整えます。
1日20〜22時間の装着が推奨されていますが、食事や歯磨きの時は取り外し可能です。透明なマウスピースなので、日中学校で装着していても目立ちにくいことがメリットでしょう。
急速拡大装置
急速拡大装置とは、歯列だけでなく上顎の骨の横幅を広げるための装置です。拡大床に比べてワイヤーが太く、強い力をかけることができます。
ネジがついている取り外せないタイプの装置で、短期間で顎の骨を拡大できます。
ヘッドギア
ヘッドギアは、上顎の過剰な成長を抑え、出っ歯を改善するために使用される矯正装置です。上顎の成長を調整することを目的に使用され、フェイスボウ(顔に固定する金属のバー)、上顎の奥歯に取り付けるアタッチメント、頭部や首に装着するヘッドキャップやネックバンドで構成されています。
ヘッドギアを使用する際は、歯科医師の指示に従うことが重要です。一般的には1日に10〜12時間の装着が推奨されていますが、患者さまによって異なるでしょう。
1期治療は誰でも受けられるわけではない
1期治療は、こどもの歯と顎の成長を利用して行う歯列矯正で、永久歯が生え揃うためのスペースを作ることが主な目的です。1期治療は、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期(6〜12歳頃)に行われます。
混合歯列期に治療を始めることで、顎の成長のコントロールや、歯列の拡大を行うことが可能になります。
永久歯がすべて生え揃っている場合、1期治療を開始するには遅すぎるでしょう。すでに永久歯が生え揃っている場合は、成人と同様の矯正治療、つまり2期治療が適切です。2期治療では、歯を移動させて歯並びを改善します。
小児矯正の1期治療のみで歯並びは整う?
結論からお伝えすると、1期治療のみで歯並びが整うケースもありますが、多くの場合2期治療も必要となります。
以下のようなケースでは、1期治療のみで歯並びが整うかもしれません。
・骨格に問題がない
・歯並びの乱れが軽度である
・歯のサイズが小さく、並べるためのスペースが十分にある
・悪習癖が改善されて歯並びも整った
ただし、上記のようなケースは稀です。1期治療と2期治療は基本的にセットで行うものと考えたほうがよいでしょう。
2期治療に進んだとしても1期治療を受けるメリットは非常に多いです。
1期治療をするメリット
1期治療を行うメリットは、以下のとおりです。
・2期治療での抜歯の可能性が低くなる
・2期治療の治療期間が短くなることがある
1期治療を行うことで、永久歯が生えるためのスペースを事前に確保できます。2期治療では抜歯が必要なくなることが多いでしょう。
抜歯を避けることは精神的ストレスの軽減につながります。治療プロセスがシンプルになるため、治療期間が短縮される可能性もあるでしょう。
1期治療によって顎の骨の成長を促すことで、2期治療の期間が短くなる可能性も高いです。歯を並べるためのスペースは確保できており、悪習癖も改善できていることが多いので、大きく歯並びが乱れることは少ないためです。
2期治療が必要なケースとは?
1期治療が終わっても、2期治療が必要となるケースも存在します。
・歯並びがガタガタしたまま
・歯がねじれて生えている
・上下の噛み合わせが悪い
上記のケースでは、2期治療が必要になるかもしれません。1期治療を終えた段階では2期治療の必要性はわからないので、経過を観察しながら2期治療を行うか検討します。
2期治療の治療内容
2期治療の内容は、大人の歯列矯正と同様です。矯正装置は大きくわけて、ワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を移動させる治療です。
マウスピース矯正は、ご自身で取り外せる透明なマウスピースを使用して歯並びを整えます。少しずつ形の異なるマウスピースに定期的に交換しながら、理想の歯並びを目指します。
どちらの方法もメリット・デメリットがあるので、お子さまの歯の状態を確認して適切な治療方法を選択しましょう。
1期治療のみで終わる場合の注意点
1期治療を行っても、完全に理想的な歯並びが実現するわけではありません。顎の発育を促す治療を行っても、永久歯が想定どおりにきれいに生えるとは限らないのです。永久歯がねじれて生える場合もあるでしょう。
そのため、1期治療後も歯並びの状況を定期的にチェックすることが重要です。必要に応じて2期治療へ進むことで、整った歯並びを目指せるでしょう。
まとめ
小児矯正には、1期治療と2期治療があります。
1期治療は、永久歯がきれいに生え揃うためのスペースを作ること目的とした治療です。乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(6〜12歳頃)のこどもを対象としています。
1期治療のみで歯並びが整う場合もありますが、基本的に1期治療と2期治療はセットで行います。1期治療を受けることで、2期治療の際の抜歯が不要になる、治療期間を短縮できるなどの効果が期待できるでしょう。
小児矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
八重歯の治療にマウスピース矯正を選択するメリット・デメリット!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
「八重歯のマウスピース矯正のメリットやデメリットを知りたい」と思う方もいるでしょう。八重歯はマウスピース矯正で治療できますが、治療にはメリット・デメリットがあります。
今回は、八重歯の治療にマウスピース矯正を選択するメリット・デメリットや、マウスピース矯正の流れなどを解説します。マウスピース矯正で八重歯を治療したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース矯正で八重歯は治せる?
結論からお伝えすると、八重歯はマウスピース矯正で治療可能です。
ただし、歯の状態によってはマウスピース矯正を受けられない場合もあります。絶対にマウスピースで矯正できるとは限りません。
マウスピース矯正が難しい場合は、ほかの矯正治療を行う、事前に処置をしてマウスピース矯正を受けるなど、対応する必要があります。
そもそも八重歯とは?
八重歯とは、歯列の外側にはみ出している歯のことです。八重歯になる歯は前から3番目にある犬歯が多いですが、必ずしも犬歯が八重歯になるとは限りません。
犬歯以外の歯が歯列からはみ出している場合も八重歯といいます。日本では可愛らしい印象になるとする場合もありますが、海外ではヴァンパイアティースとよぶなど、よい印象はありません。
八重歯になる原因
八重歯になる主な原因は、以下の3つです。
・歯と顎の大きさのバランスが悪い
・乳歯が早くに抜けた
・上の前歯に過剰歯がある
それぞれ順番に解説します。
歯と顎の大きさのバランスが悪い
歯と顎の大きさのバランスが悪いと、八重歯になる可能性があります。歯列がきれいに並ぶための十分なスペースが確保できないことが原因です。
例えば、顎が小さいのに歯のサイズが大きい場合、すべての歯を適切な位置に生えさせるにはスペースが足りません。歯と歯が押し合い、犬歯が歯並びの外側に追いやられるのです。
歯並びが直接遺伝することはありませんが、顎や歯の大きさなど、骨格は遺伝することがあります。親族に八重歯の方がいる場合、八重歯になる可能性があるでしょう。
顎の成長・発達が未熟な場合も、スペースが不足して八重歯になることがあります。
乳歯が早くに抜けた
乳歯が早くに抜けた場合も、八重歯の原因となることがあります。早い段階で乳歯が抜けると、新しく永久歯が生えてくるまでの期間に、あいたスペースにほかの歯が移動することがあるのです。
新しい永久歯が生えようとした頃に、ほかの歯に必要なスペースが奪われていると八重歯になるでしょう。特に、犬歯はほかの歯よりも生え変わりが遅い傾向にあるため、八重歯になりやすいのです。
上の前歯に過剰歯がある
上の歯に過剰歯があることが原因で、八重歯になる場合もあります。歯の本数が多すぎてスペースが足りなくなり、歯が圧迫されて外側に飛び出るのです。
過剰歯とはその名のとおり、歯が本来の本数よりも過剰にある状態のことをいいます。前歯に過剰歯がある場合、犬歯が圧迫されて飛び出しやすいです。
八重歯を放置するとどうなる?
八重歯を治療せずに過ごすと、トラブルにつながる可能性があります。
・虫歯や歯周病になりやすい
・口の中を傷つけやすい
・八重歯以外の歯の寿命が縮む
・見た目がコンプレックスになる
それぞれ理由を合わせて解説します。
虫歯や歯周病になりやすい
八重歯があると、虫歯や歯周病になりやすいです。歯の間に食べカスが挟まりやすく、歯磨きがしにくいからです。
気をつけて歯磨きをしなければ、すぐ虫歯になるでしょう。虫歯を治療したとしても、繰り返すことが多いです。
八重歯がある場合は、ご自宅での丁寧なケアが非常に重要です。
口の中を傷つけやすい
八重歯があると口の中を傷つけやすくなります。尖った形状をしている犬歯が歯列から飛び出すと、粘膜に刺さる可能性があるでしょう。
「口の中を頻繁に噛み、口内炎になる」という方も多いです。食事の際に気をつける、ゆっくり話すなど、注意しなければなりません。
八重歯以外の歯の寿命が縮む
八重歯があると、ほかの歯の寿命が縮みやすくなります。噛み合わせが悪くなり、ほかの歯に負担がかかるからです。
八重歯になりやすい歯である犬歯は、糸切り歯ともよばれています。本来、食べ物を噛み切るのに優れた歯です。
犬歯が歯列の外側に飛び出すことで、本来の機能をうまく果たせなくなります。噛み切る際の負担がほかの歯にかかり、寿命が縮まるのです。
見た目がコンプレックスになる
八重歯をコンプレックスに感じている方もいるでしょう。日本では無邪気で可愛らしいイメージとされることが多いですが、海外では好ましく思わない方のほうが多いです。
笑った際に上唇が八重歯に引っかかり、うまく閉じることができないなど、ストレスに感じる方もいます。
八重歯治療にマウスピース矯正を選択するメリット・デメリット
八重歯治療にマウスピース矯正を選択するメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
八重歯治療にマウスピース矯正を選択するメリット
八重歯治療にマウスピース矯正を選択する主なメリットは、以下の3つです。
・矯正装置が目立たない
・口の中を清潔に保てる
・金属アレルギーでも受けられる
ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーなどの金属が目立ちます。
しかし、マウスピース矯正で使用するマウスピースは透明なため目立ちません。マウスピースは取り外せるため、歯磨きもしっかり行えます。
また、ワイヤー矯正は金属アレルギーがあると受けられませんが、マウスピース矯正は金属を使用しないため、アレルギーがある方でも治療可能です。
八重歯治療にマウスピース矯正を選択するデメリット
八重歯治療にマウスピース矯正を選択する主なデメリットは、以下の2つです。
・1日20時間以上装着する必要がある
・重度の場合は治療できないことがある
マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着を守る必要があります。装着時間が20時間未満の場合、十分な矯正効果が得られず治療期間が長引くでしょう。
違和感があるからと外すと治療が進みません。自己管理できるかが治療成功に大きく関わるのです。
また、重度の歯並びの乱れには対応できないことがあります。マウスピースを適切に装着できない場合や、歯を大きく移動させる必要がある場合、ほかの矯正方法を選択する必要があるでしょう。
マウスピース矯正で八重歯を治す流れ
まずは、検査結果をもとに患者さまに合ったマウスピースを作成します。定期的に新しいマウスピースに交換しながら、徐々に歯を移動させます。
マウスピース矯正だけでは治療できないケースもあるため、ワイヤー矯正を併用する、歯を抜く・削るなどの処置が必要になることもあるでしょう。
矯正治療中は、定期的に通院して口内の状況を確認します。必要に応じて、マウスピースを調整することもあるでしょう。
歯の移動が終わったら、保定期間に入ります。矯正治療には、歯を動かす動的治療期間と、保定期間があります。
矯正治療後の歯は不安定な状態なので、整えた歯並びを固定させる期間が必要なのです。保定期間中はリテーナーを装着して、歯がもとの位置に戻ることを防ぎます。
マウスピース矯正で八重歯を治すためにかかる期間
八重歯だけをマウスピース矯正で治療する場合は4か月〜1年ほど、八重歯を含む全体の歯をマウスピース矯正で治療する場合は1〜3年ほどが目安です。
ただし、1日20時間以上の装着を守った場合の期間です。装着時間を守らなければ、治療期間が延びるでしょう。
マウスピース矯正で八重歯を治すためにかかる費用
八重歯だけをマウスピース矯正で治療する場合は200,000〜500,000円ほど、八重歯を含む全体の歯をマウスピース矯正で治療する場合は300,000〜1,200,000円ほどかかるでしょう。
マウスピース矯正は自由診療のため、保険が適用されません。歯科医院によって費用が異なるため、事前に確認しましょう。
まとめ
今回は、八重歯の治療にマウスピース矯正を選択するメリットやデメリットについて解説しました。
八重歯があると可愛い印象になるかもしれませんが、口内や歯の健康の観点から考えると、矯正したほうがよいでしょう。マウスピース矯正の費用は歯科医院によって異なるため、ホームページなどで確認し、複数の歯科医院を比較して決めてください。
八重歯の治療でマウスピース矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
インビザライン治療中の痛みの種類と原因、軽減する方法を解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
インビザライン矯正は装置が目立ちにくいことから非常に人気です。
しかし、歯列矯正は痛いというイメージをお持ちの方も多いので、なかなか治療に踏み込めない場合もあるのではないでしょうか。
今回は、インビザライン治療中の痛みの種類と原因や、痛みはどれくらい続くのか、痛みを軽減する方法などを解説します。
インビザライン治療中の痛みの種類と原因
インビザライン治療中の痛みは、以下のとおりです。
・歯が動くときの痛み
・マウスピースを着脱する際の痛み
・マウスピースが口内に触れた痛み
それぞれ確認しましょう。
歯が動くときの痛み
矯正装置を使って歯を動かす際に、痛いと感じることがあります。歯が動くときの痛みは、歯槽骨(しそうこつ)と歯根膜(しこんまく)が関係しています。
歯槽骨は、歯を支えるための顎の骨のことです。歯根膜とは、歯と骨の間にあるコラーゲン性の膜のことで、歯や歯槽骨を衝撃から守るクッションの役割を担っています。
矯正治療で歯に力をかけると、移動する方向にある歯槽骨が吸収され、反対側のすき間に新たに骨が作り出されます。歯を支える骨が吸収と再生を繰り返すことで、歯が移動するのです。
歯を動かす過程で痛いと感じやすいのは、歯槽骨が吸収されるときと、歯が動くことで歯根膜が伸縮したときといわれています。ジンジンとした痛みや歯が浮くような感覚は、歯槽骨と歯根膜が矯正力によって刺激されていることが理由でしょう。
マウスピースを着脱する際の痛み
インビザライン治療で使用するマウスピースを着脱する際にも痛いと感じる場合があります。
インビザライン矯正は、少しずつ形の違うマウスピースを交換しながら理想の歯並びを目指します。現在の歯並びとは違う形のマウスピースを使用するため、新しいマウスピースに交換したばかりのころは、特に着脱の際に痛いと感じるでしょう。
長期間マウスピースを装着せずに過ごしていた場合も、着脱時に痛いと感じることがあります。インビザラインでは、1日20〜22時間マウスピースを装着する必要があります。
装着時間が短いと歯がしっかりと動きません。長期間マウスピースを外していると、歯がもとの位置に戻ろうとする後戻りが起きる可能性があります。
後戻りが起きると、作られたマウスピースと後戻りをした歯列のずれが大きくなります。無理にマウスピースを装着すると痛いと感じるでしょう。
インビザライン矯正では、アタッチメントとよばれる透明の突起を歯の表面につけることがあります。アタッチメントには、マウスピースの密着性を高める、歯にかける矯正力を調整するなどの役割があります。
アタッチメントは専用の接着剤を使って歯に取り付けるため、マウスピースのようにご自身で取り外すことはできません。そのため、マウスピースの着脱の際に、アタッチメントが引っかかって痛いと感じることがあります。
マウスピースが口内に触れた痛み
インビザライン矯正を含むマウスピース矯正で使用するマウスピースは、なめらかな素材でできています。表面を舌で触っても、痛みや違和感を覚えることはほとんどないでしょう。
しかし、マウスピースの縁が尖っている場合やガタガタしている場合、口内が傷つき痛いと感じることがあります。縁が歯茎に当たる場合や、舌で触れたときに痛いと感じる場合は、通院中の歯科医院に相談しましょう。縁を研磨するなど、調整できることがあります。
アタッチメントが口内に触れて痛いと感じることもあるでしょう。基本的にインビザライン矯正中は、歯磨きや食事の時間以外はマウスピースを装着して過ごします。アタッチメントが露出することは少ないでしょう。
しかし、マウスピースを外したときにアタッチメントが唇の内側に触れることはあります。痛いと感じる可能性や、舌を傷つける可能性もゼロではありません。
インビザライン治療中の痛みはどれくらい続く?
痛みの種類について解説しましたが「痛みはどれくらい続くんだろう?」「耐えられるのかな?」と不安になる方も多いでしょう。
インビザラインの痛みはどれくらい続くのかを解説します。
歯が動くときの痛み
矯正力による痛みは、マウスピースを交換したタイミングで生じることが最も多いです。徐々にマウスピースが馴染み、痛いと感じなくなるでしょう。
痛みのピークは交換後1〜2日程度です。長くでも1週間程度で痛いと感じなくなります。
マウスピースを着脱する際の痛み
着脱の際の痛みも、マウスピースを交換したときに感じやすいです。2日〜1週間程度で落ち着く場合が多いでしょう。
しかし、あくまで1日20〜22時間の装着時間を守っていた場合です。後戻りが起きている場合、痛みが長く続く、マウスピースがうまく入らないなどのトラブルにつながる可能性があるでしょう。
何か違和感があるときは、歯科医師に相談してください。
マウスピースが口内に触れる痛み
マウスピースが口内に触れることで生じる痛みは、時間の経過とともに治るものではありません。同じ部分に当たり続けると口内炎の原因になるので、歯科医院に相談しましょう。
マウスピースの縁を削ってなめらかに整えるなど、対応できることがあります。
インビザライン治療中の痛みを軽減する方法
最後に、インビザライン治療中の痛みを軽減する方法を確認しましょう。主な方法は、以下のとおりです。
・硬い食べ物を避ける
・矯正用ワックスを使用する
・鎮痛剤を飲む
それぞれ解説します。
硬い食べ物を避ける
インビザライン治療中に痛いと感じるときは、硬い食べ物など歯に強い衝撃を与えるものは避けたほうがよいでしょう。うどんやおかゆ、スープなどの柔らかい食べ物を食べるようにして、歯に必要以上刺激を与えないように過ごしてください。
矯正用ワックスを使用する
食事中などマウスピースを外したときに、アタッチメントが口内に当たって痛い場合は、矯正用ワックスを使うとよいでしょう。
矯正用ワックスとは、矯正装置を覆うことで口内を保護するワックスです。アタッチメントの突起部分を覆うことで、違和感を軽減できるでしょう。
米粒程度に小さく取ってアタッチメントに取り付けます。飲み込んでも体に影響のない素材でできているので、食事中でも安心して使用できます。
ただし、マウスピース装着時には歯科用ワックスを外してください。マウスピースとアタッチメントのフィット感が損なわれるためです。
鎮痛剤を飲む
インビザライン治療中に我慢できないほど痛いと感じるときは、鎮痛剤を飲むとよいでしょう。可能であれば、矯正治療を受けた歯科医院で処方された鎮痛剤を飲んでください。
市販されている鎮痛剤には、歯の移動を遅らせる成分が入っている場合があります。簡単に表現すると、矯正治療では歯周組織の炎症を利用して代謝を促進し、歯を移動させます。
そのため、炎症反応を抑える効果がある鎮痛剤を常用すると、歯の移動が遅れる可能性があるのです。市販されている鎮痛剤を飲む場合は、歯科医師に問題がないか確認するとよいでしょう。
まとめ
インビザライン矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛いと感じにくい矯正方法です。
しかし、マウスピースを使って歯を動かす過程で、痛みが生じる可能性はゼロではありません痛みの種類としては、歯が動くときの痛み、マウスピースを着脱する際の痛み、マウスピースが口内に触れる痛みなどが挙げられます。
痛みは2日〜1週間程度で落ち着くことが多いです。マウスピースが口内の粘膜に触れて痛い場合は、歯科医院でマウスピースを削ってもらうなど対応してもらいましょう。
インビザライン矯正にお悩みのある方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
小児矯正歯科の選び方 | 4つのポイントを解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
「こどもの歯並びが気になる」「かかりつけの小児科から矯正を勧められた」など、お子さまの矯正を検討する保護者の方は多いです。
矯正治療を受ける場合は、どの歯科医院で小児矯正を受けるか決めなければなりません。矯正を始めると長期間通わなくてはならないので、歯科医院選びは非常に重要です。
今回は、小児矯正歯科の選び方を詳しく解説します。矯正を始める重要性や乱れた歯並びを放置する悪影響についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
小児矯正とは?
小児矯正とは、歯が生え揃っていない時期に行う矯正のことです。小児矯正は、以下の2つのステップに分かれます。
・1期治療:永久歯が生え揃う前に行う治療
・2期治療:永久歯が生え揃ったあとに行う治療
1期治療では、顎と口周りの筋肉の発達を促します。歯が生える十分なスペースを作り、歯が適切な位置に生えるようにアプローチするのです。例えば、拡大装置を使って顎の成長を促進します。
2期治療とは、生え揃った永久歯の歯並びを整える治療です。大人の矯正と同様、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯並びを整えます。1期治療で理想の歯並びに永久歯が生え揃った場合、2期治療は必要ありません。
小児矯正の開始時期
小児矯正は、6〜9歳の時期に開始するのが理想です。
大臼歯が生え始め、乳歯が抜け始める、生えかわりの期間です。生えかわりの時期に適切に顎の成長をコントロールできれば、大きく歯並びが乱れることはないでしょう。
しかし、こどもの口腔内の状況は一人ひとり異なります。例えば、受け口の場合は3歳程度の早い時期からアプローチしたほうが効果が出やすいでしょう。
お子さまの歯並びや、顎の成長で気になることがあるときは、できるだけ早く歯科医師に相談してください。
小児矯正と大人の矯正の違い
小児矯正と大人の矯正の違いを、表にまとめました。
<小児矯正と大人の矯正の違い>
小児矯正 | 大人の矯正 |
・顎の骨や口周りの筋肉が正しく発達するようにアプローチする ・成長を利用して矯正を進める ・痛みが少ない ・抜歯や手術の可能性が減る |
・顎の骨は広げられない場合が多い ・歯並びを整える ・痛みを伴う ・抜歯や手術が必要なケースもある |
小児矯正は成長期に行うため、顎の骨や口周りの筋肉が正しく成長するように導くことを目的としています。歯並びを整えるというよりも、正しく成長させることで歯がきれいに並ぶためのスペースを確保する、と考えたほうがよいでしょう。
顎の骨や歯肉が柔らかいので、大人の矯正に比べると痛みが少ないことも特徴です。歯を並べるスペースは確保されているので、将来的に矯正治療をする場合も、抜歯や手術の可能性が減るでしょう。
大人の矯正は、顎の成長が止まって歯が生え揃った段階で始まります。顎の骨を広げてスペースを確保するのは難しいことが多く、歯並びをきれいにすることに集中して治療を行います。
顎の骨や歯肉がこどもと比べて硬いので、小児矯正に比べると痛みが出やすいでしょう。歯をきれいに並べるスペースが足りない場合は、抜歯しなければならないこともあります。骨格が原因で歯並びが乱れている場合は、手術をしなければならないでしょう。
小児矯正の費用の目安
小児矯正の費用は、保険が適用されないケースが多いです。そのため、歯科医院によって費用が異なります。
また、口腔内の状況や使用する装置、1期治療で終了するのかどうかなど、さまざまな要素に左右されるでしょう。1期治療、2期治療のそれぞれの費用の目安は、以下のとおりです。
・1期治療:100,000〜500,000円
・2期治療:200,000〜1000,000円
こどもの歯並びが悪いことによる悪影響
「こどもの時期に矯正をするのはかわいそう」「歯並びくらい放置していても大丈夫なのでは」と考える方もいるでしょう。
しかし、こどもの歯並びの乱れを放置すると、さまざまな問題を引き起こします。
こどもの歯並びが悪いことによる悪影響は、以下のとおりです。
正しい発音を習得できない
歯並びが悪いと、正しい発音ができない可能性があります。例えば、出っ歯やすきっ歯の状態では、舌を前歯につけて発音するサ行・タ行の発音が難しくなります。
口腔内の筋肉や舌の発達が不適切で、発音に支障が出る可能性もあるでしょう。
顎関節症になる
歯並びが悪いと、将来的に顎関節症になるリスクが高くなります。歯並びが悪いこどもは、噛み合わせも悪いことが多いからです。
一点に集中して力がかかっているなど、顎関節に負担をかけている可能性があります。過度の力が加わると、顎関節症になります。
顎関節症では、口の開閉時にカクカクと異音が鳴る、食事の際に噛むと痛む、口を開けられないなどの症状が現れるでしょう。症状が悪化すると、日常生活に支障が出ることも少なくありません。
将来的に肩こりや頭痛の原因になる
歯並びや噛み合わせが悪いと、肩こりや頭痛に悩まされる可能性があります。上述しましたが、噛み合わせが悪いと顎関節に負担がかかります。
顎関節に一定の負荷がかかり続けると、肩や首の筋肉が緊張し、肩こりや頭痛を引き起こすのです。
虫歯や歯周病になりやすい
歯並びが悪いと、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。歯並びが悪い部分には食べかすやプラークが溜まりやすく、歯ブラシの毛先が届きにくいからです。
特に生えたばかりの永久歯は、エナメル質がしっかりと形成されていません。虫歯になりやすく、進行が早いです。
しっかりと噛めない
歯並びや噛み合わせが悪いと、しっかりと噛んで食事ができないかもしれません。前歯で噛みきれない、奥歯でしっかりと噛めないなどの問題が生じやすいです。
適切に咀嚼できないまま飲み込むので、胃腸にも負担がかかるでしょう。
小児矯正歯科の選び方 | 4つのポイント!
矯正は長期に及ぶため、矯正を始めると通院し続けなければなりません。保護者の方もお子さまも、安心して通える小児矯正歯科を選ぶことが重要です。
小児矯正歯科の選び方について解説します。
通いやすい場所にある
通いやすい場所にある小児矯正歯科を選ぶことが重要です。
使用する器具やお子さまの歯並びの状態にもよりますが、小児矯正では月に1〜2回の通院を数年続ける必要があります。問題が起きることもあるので、月に3回以上受診する場合もあるでしょう。
遠方の小児矯正歯科を選んだ場合、通院が負担になる可能性があります。お子さまや保護者の方の負担を減らすためにも、通いやすい場所にある小児矯正歯科を選びましょう。
丁寧に対応してくれる
丁寧に対応してくれるかどうかは、小児矯正歯科を選ぶ際の重要なポイントです。メリットだけでなく、デメリットも含めて治療内容を説明してくれるかどうか、費用も明確に説明してくれるかどうかを確認しましょう。
相談しやすい歯科医師かどうかも重要です。不安を抱えたまま治療を受けるのは、保護者の方にとって大きなストレスになるかもしれません。親身に話を聞いてくれる歯科医師、歯科衛生士が在籍している歯科医院を探しましょう。
こどもだからと冷たい対応をする、心ない言葉をかける歯科医院は避けたほうがよいといえます。保護者の方だけでなく、お子さまにも丁寧に接しているかどうか確認してください。
小児矯正の症例数が豊富である
矯正歯科の経験が豊富なことはもちろん、小児矯正の症例数が豊富で、経験とスキルがある歯科医師の治療を受けましょう。
小児矯正は、こどもの成長に合わせて治療を進めなければなりません。生えかわりや顎の骨の成長速度は個人差が大きいため、一人ひとり丁寧に診察し、治療計画を立てる必要があるでしょう。
また、矯正治療は長期にわたるので、モチベーションを保てないこどもも多いです。特に、保護者の方の意向で矯正を決定した場合、通院したくないという日もあるでしょう。
小児矯正の症例数が豊富な歯科医師は、お子さまの気持ちに寄り添いながら治療を進めてくれます。
お子さまが通いやすい雰囲気である
お子さまが通いやすい雰囲気かどうかも重要です。矯正治療を受けるのはお子さまなので、長期に及ぶ治療期間中、リラックスして過ごせることが大切でしょう。
歯科医師や歯科衛生士とお子さまの相性がよいか、恐怖を感じていないかなど、しっかり観察してあげてください。病院内の内装やディスプレイなど、お子さまがリラックスできる工夫がされているかも確認するとよいでしょう。
まとめ
小児矯正は、こどもの成長に合わせて顎や口腔内の筋肉が正しく発達するように導く治療です。歯が生える十分なスペースを確保することで、歯並びと噛み合わせを整えます。
大人の矯正と違い、こどもの成長を利用して進めるため、痛みが少ないことが特徴でしょう。将来的に矯正治療を受ける場合、抜歯や手術の可能性を低減できます。
小児矯正歯科を選ぶ際は、通いやすいか、丁寧な対応をしてくれるか、経験が豊富か、お子さまがリラックスできるかを考慮して選んでください。
小児矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
前歯だけをマウスピースで矯正できる?メリットや適応症例を解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
「前歯だけをマウスピースで矯正できる?」「前歯だけをマウスピースで矯正するメリット・デメリットは?」など、疑問に思う方もいるでしょう。
今回は、前歯だけをマウスピースで矯正できるのかどうか解説します。前歯だけをマウスピースで矯正するメリット・デメリットや、マウスピースで矯正できる前歯の症例、治療期間や費用もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
前歯だけをマウスピースで矯正できる?
前歯だけをマウスピースで矯正するのは、可能です。前歯部分だけをきれいにしたい方は多く、マウスピース矯正は非常に適しています。
マウスピース矯正には、インビザラインやキレイライン矯正などいくつか種類がありますが、基本的にどの治療法も前歯だけの矯正が可能です。
口腔内の状態によっては、前歯だけの部分的な矯正では改善できないと判断されることもあります。歯科医師とよく相談しご自身に合った治療法を選択しましょう。
前歯だけをマウスピースで矯正するメリット
前歯だけをマウスピース矯正するメリットをご紹介します。前歯だけをマウスピースで矯正するメリットは、以下の5つです。
・治療期間が短い
・費用を抑えられる
・矯正装置が目立ちにくい
・口の中を衛生的に保てる
・金属アレルギーでも矯正できる
それぞれ順番に確認しましょう。
治療期間が短い
前歯だけのマウスピース矯正は、全体矯正と比べて基本的に治療期間が短いです。治療する歯の本数が少ないので、早く治療を終えられます。
マウスピースを自己管理しながら矯正を進めるため、ワイヤー矯正と比べると通院回数も少ないです。患者様の負担が少ない治療といえるでしょう。
しかし、口腔内の状態によってマウスピース矯正は不可能と判断されるケースもあります。
費用を抑えられる
前歯だけのマウスピース矯正は、全体の歯を矯正するよりも費用が抑えられます。治療する歯の範囲や本数が少ないので、費用も安くなるのです。
前歯のマウスピース矯正にかかる費用は歯科医院によって異なるため、事前に確認しておきましょう。同じマウスピース矯正でも、どの種類のマウスピース矯正を受けるのかによって費用が変動します。
前歯のマウスピース矯正の治療メニューを確認したうえで、医師と相談して決めましょう。
矯正装置が目立ちにくい
前歯のマウスピース矯正で使用するマウスピースは、透明で目立ちにくいことがメリットのひとつです。
ワイヤー矯正の場合は、ブラケットと呼ばれる矯正装置が歯の表面に取り付けられ、ブラケットに通したワイヤーで歯の位置を移動させます。そのため、矯正装置が非常に目立ちます。
見た目の自然さを損なわずに矯正したいと考えている方には、マウスピース矯正が向いているでしょう。
口の中を衛生的に保てる
前歯のマウスピース矯正を行う場合、ワイヤー矯正と比べて口の中を清潔に保てます。治療で使用するマウスピースは、ご自身で取り外しできるからです。汚れたらすぐに洗浄でき、歯磨きもふだんどおり行えます。
ワイヤー矯正では、歯と矯正装置のすき間に食べカスが詰まりやすく、歯磨きも難しくなるでしょう。ワイヤー矯正で使用する矯正装置は、ご自身で取り外して洗うことはできません。歯磨きの際も装置が邪魔になるので、お手入れが難しいのです。
マウスピース矯正は、矯正装置の管理が楽なので口の中の清潔も保ちやすいでしょう。
金属アレルギーでも矯正できる
前歯のマウスピース矯正は、金属アレルギーがある方でも問題なく矯正できます。治療に使用されるマウスピースは、プラスチックの一種であるポリウレタンから作られているためです。
ワイヤー矯正の場合はブラケットやワイヤーに金属が使用されるため、金属アレルギーがあると治療を受けられないでしょう。金属アレルギーの方が前歯の矯正を行うのであれば、マウスピース矯正が適しています。
前歯だけをマウスピースで矯正するデメリット
前歯だけをマウスピースで矯正するデメリットについて解説します。前歯だけをマウスピースで矯正するデメリットは、それほどありません。強いて挙げるのであれば、以下の2つです。
・歯全体をきれいにしたい人には向かない
・1日20時間以上マウスピースを装着しなければいけない
それぞれ解説します。
歯全体をきれいにしたい人には向かない
前歯を含む全体の歯並びをきれいに整えたいと考えている方には、前歯だけのマウスピース矯正は向いていません。歯全体の歯並びを整えたいのに前歯の歯並びだけを矯正しても、当然全体的な歯並びは整わないからです。
前歯以外の歯も含めてきれいな歯並びにしたいのであれば、全体矯正のほうがよいかもしれません。
1日20時間以上マウスピースを装着しなければいけない
前歯の矯正に限りませんが、マウスピース矯正では1日20時間以上マウスピースを装着する必要があります。マウスピースが邪魔だからと装着時間が20時間以内になると、歯に適切な力が加わらず、予定どおりに治療が完了しない可能性があります。
必要な装着時間を守れないと、いつまで経っても治療が進みません。マウスピースを装着したときの違和感が強い場合は、歯科医院で相談して調整してもらいましょう。
マウスピースで矯正できる前歯の症例
マウスピースで矯正できる前歯の症例をご紹介します。具体的には、主に以下の症例です。
・出っ歯
・すきっ歯
・軽度の八重歯
・矯正治療後の後戻り
出っ歯やすきっ歯は、マウスピースで矯正可能な前歯の症例です。また、軽度の八重歯であれば、前歯の部分矯正としてマウスピースで治療できます。
ほかにも、過去に歯科矯正をして歯並びを整えたのに歯の位置が後戻りした方の前歯も治療可能です。一度矯正した歯でも、メンテナンスが不十分な場合、もとの位置に戻ることがあります。
マウスピースで矯正が難しい前歯の症例
マウスピースでの矯正が難しい前歯の症例をご紹介します。
・噛み合わせが悪い
・抜歯が必要である
・重度の虫歯や歯周病がある
前歯の歯並びだけをきれいにしても奥歯の噛み合わせが合わない場合は、全体矯正に切り替えてすべての歯を治療したほうがよいでしょう。矯正するにあたって抜歯が必要になる場合は、大幅に歯の位置を動かす必要があると予測されるため、全体矯正でバランスを整えなければならないかもしれません。
重度の虫歯や歯周病がある場合、まずは治療を優先したほうがよいでしょう。歯を支える骨がしっかりしていないと、矯正治療による負荷に耐えられず、歯が抜ける恐れがあります。
前歯だけをマウスピースで矯正する場合の期間
前歯だけをマウスピースで矯正する場合の治療期間は、半年〜1年半程度です。あくまで目安であり、実際の治療期間は口腔内の状況によって異なります。
余裕を持ったスケジュールで治療を計画しましょう。
前歯だけをマウスピースで矯正する場合の費用
前歯だけをマウスピースで矯正する場合の費用は、100,000〜500,000円前後です。治療する歯の本数や歯茎の状態、治療を受ける歯科医院によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ
今回は、前歯だけのマウスピース矯正について解説しました。
前歯だけのマウスピース矯正のメリットは、治療期間が短いこと、費用を抑えられること、矯正装置が目立ちにくいことなどが挙げられます。口の中を衛生的に保てることや、金属アレルギーでも矯正できることもメリットでしょう。
デメリットは、歯全体をきれいにしたい人には向かないこと、1日20時間以上マウスピースを装着しなければいけないことなどが挙げられます。
マウスピース矯正はワイヤー矯正よりもお手入れしやすく、違和感が少ない治療方法です。前歯だけを手軽に矯正したい方には、特に向いているでしょう。
大きなデメリットはないため、治療スケジュールや費用に問題がなければ、ぜひ検討してください。
インビザラインをやらなきゃよかったと後悔した例と対処法を解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
インビザラインは、装置が目立たないことから人気の治療法です。
しかし、インビザライン治療をした人のなかには「インビザラインをやらなきゃよかった」と後悔する例もあります。失敗しないためには、後悔した例を知ることが大切です。
今回は、インビザラインをやらなきゃよかったと後悔した例と原因、後悔しないための対策について解説します。インビザラインを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインをやらなきゃよかったと後悔した例
インビザラインをやらなきゃよかったと後悔した例と、原因をご紹介します。
計画どおりに治療が終わらなかった
インビザラインは、治療の初めに歯の動きをシミュレーションしてマウスピースを製作します。そのため、基本的には治療終了時期を予測することが可能です。
しかし、マウスピースを外している時間が長い場合や、正しく装着していなかった場合などは、計画どおりに治療が進まないでしょう。
非常にまれなケースですが、歯が顎の骨に癒着して動かなくなるアンキローシスという状態になることもあります。
決められた装着時間とマウスピースの交換時期をしっかり守っていれば、基本的には計画どおりに矯正治療が進みますが、計画どおりに治療が終わらないケースがあることも理解しておきましょう。
理想の仕上がりにならなかった
インビザラインは、ほかの矯正治療と異なり、矯正を開始する段階で矯正完了までの状態をシミュレーションできます。歯並びが整った状態をイメージできることは、インビザラインの大きなメリットです。
しかし、理想の仕上がりにならなかったことでやらなきゃよかったと後悔する場合があります。
歯の大きさが左右非対称な場合や、もともと顎に歪みがある場合は、左右差が生じて歯の中心がずれることがあるでしょう。
歯並びに不安がある場合は、治療の途中であっても相談してください。シミュレーションの段階で疑問を感じた場合は、早めに相談しましょう。
歯茎が下がった
矯正治療を受けて、歯茎が下がったと感じる人は少なくありません。インビザライン矯正だけでなく、矯正治療には歯茎が下がるリスクが伴うのです。
特に成人の歯矯正においては、歯を動かすことによって溶けた歯槽骨がもとの状態まで再生でないことがあります。歯槽骨が再生できないと、歯茎が下がりやすいでしょう。また、もともと歯槽骨が薄い人は特に注意が必要です。
矯正治療後に歯茎が下がるのが心配な場合は、あらかじめ歯科医師に相談するとよいでしょう。歯茎が下がるリスクと、下がった見た目について納得してから矯正治療を開始することが大切です。
噛み合わせが悪くなった
歯並びの見た目がよくなっても、噛み合わせが悪化することがあります。見た目だけがよくなっても、噛む機能が十分でなければ健康的に歯並びが整ったとはいえません。
矯正治療の目的は、歯の美しさだけでなく正しい噛み合わせをもたらすことでもあります。噛み合わせもしっかりと診てもらえるよう、歯科矯正の経験が豊富な歯科医師のもとで治療を受けましょう。
治療をしたのに歯並びが戻った
歯並びが整うと矯正治療が完了した、と思う人も多いですが、実際には治療後のステップが非常に重要です。歯並びが整ったら、歯の位置を固定するための保定期間に入ります。
整った歯の位置が固定されるように、保定装置(リテーナー)を装着しなければなりません。保定装置は歯の位置を安定させ、長期的に整った歯並びを保つ役割を果たします。保定装置の装着を怠ると、歯並びがもとの位置に戻るリスクが高まります。
保定期間の長さは個人差がありますが、一般的には矯正治療にかかった期間と同じか、それ以上の期間が必要とされることが多いです。
インビザラインを後悔しないための対策
インビザライン治療をして後悔しないために、次のポイントに注意しましょう。
マウスピースの装着時間と交換時期を守る
インビザラインのマウスピースは、1日20〜22時間装着する必要があります。食事や歯磨きの時間を除くと、1日中装着しているイメージです。
装着時間を守らないと、治療が計画どおりに進まなくなる恐れがあるため、必ず守ってください。また、決められた期間ごとに次のマウスピースに交換することが大切です。
計画どおりに治療が進まないリスクを知っておく
インビザラインは、治療の全過程をシミュレーションできる矯正治療方法です。マウスピースの装着時間と交換時期を守れば、治療は計画どおりに進みます。
しかし、治療には絶対はありません。うまく動かない歯があるケースもあります。治療を開始する際は、計画どおりに治療が進まないリスクを理解しておくことが必要です。
歯茎が下がるリスクがあることを知っておく
インビザライン矯正に限らず、矯正治療には歯茎が下がるリスクが伴います。特に、成人や歯槽骨が薄い人は注意が必要です。治療前にリスクがあることを理解したうえで、矯正治療を開始しましょう。
マウスピースにトラブルが起きたらすぐに連絡する
マウスピースが壊れた、うまくはまらない、などのトラブルが起きた場合は、早めに歯科医院に相談してください。適切な対応を取らないと、治療が順調に進まないだけでなく、痛みなどの不具合が生じる可能性もあります。
治療後の保定期間を守る
治療後は、歯の位置を固定するための保定期間に入ります。保定期間は保定装置(リテーナー)を毎日装着する必要があるでしょう。
歯並びが整うと「もう装置をつけたくない」と感じるかもしれませんが、保定期間も含めて矯正治療だということをしっかり理解してください。
インビザラインが向かない人の特徴と対処法
インビザラインが向かない人の特徴をご紹介します。インビザライン矯正が適していない場合は、ワイヤー矯正などの治療を検討したほうがよいでしょう。
マウスピースの装着時間を守れない人
マウスピースは、指定された時間きちんと装着して初めて効果を発揮します。インビザラインでは1日20〜22時間装着しなければなりません。
頻繁に取り外すことが予想される人や、指定された時間を守ることが難しい人は、インビザライン矯正が適していない可能性があります。マウスピースの装着時間を守れない人は、ワイヤー矯正など取り外せない矯正治療のほうが適しているでしょう。
マウスピースの交換時期を守れない人
インビザラインの治療は、定期的に新しいマウスピースに交換することで歯を移動させます。予定をすぐに忘れる人や、交換時期をしっかり守れる自信がない人は、インビザライン矯正は向かないかもしれません。
カレンダーに交換日を記入する、スマートフォンのリマインダー機能を活用するなど、交換日を忘れないように工夫しましょう。
マウスピースの衛生管理ができない人
インビザラインのマウスピースは、食事や歯磨きの際は外して洗浄してから再装着する必要があります。マウスピースと歯の両方の衛生管理が不十分な場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
せっかく歯並びが整っても、虫歯や歯周病で歯がボロボロになっては意味がありません。矯正治療中に虫歯や歯周病を発症すると、歯列矯正を中断して治療を優先することが多いです。
矯正を始める前に、きちんとした口内清掃の習慣を身につけましょう。マウスピースを清潔に保つことも非常に重要です。
まとめ
インビザライン矯正は、透明なマウスピースを使用して歯並びを整える方法です。
しかし「期待した結果が得られなかった」「治療に予想以上の時間がかかった」「お金をかけてまでやらなきゃよかった」と後悔する人もいます。
治療の結果は人それぞれで、必ずしも期待した結果が得られるわけではありません。治療に取り組む際は、インビザライン矯正にもリスクや予期しない問題が生じる可能性があることを理解し、十分な情報を得て決断することが重要です。
インビザラインをやらなきゃよかったと後悔しないために、指示されたマウスピースの装着時間を守り、定期的な交換を怠らないでください。
正しい情報と正確な指示のもとで計画的に進めることが、良好な治療結果を得るための方法です。
インビザラインを検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
小児矯正の費用相場はどれくらい?装置や治療ごとにかかる費用を解説
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
「こどもの歯並びが気になるけれど矯正治療の費用は高いと聞いた」など、小児矯正を始めるべきか迷っている方も多いでしょう。小児矯正にはさまざまな方法があり、適切な時期に開始しないと十分な効果を得られない場合があります。
今回は、小児矯正の方法と費用、治療費を抑える方法を解説します。小児矯正に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
こどものうちに歯を矯正するメリット・デメリット
こどものうちに歯を矯正するメリット・デメリットをご紹介します。
こどものうちに歯を矯正するメリット
小児矯正をするメリットは、以下のとおりです。
顎の成長をコントロールできる
小児矯正を受けるメリットとして、顎の成長をコントロールできることが挙げられます。小児矯正を利用すれば、成長期のこどもの身体の発育を活かし、顎の骨を適切に成長させられるのです。
顎の骨の成長を利用した矯正治療は、成長期のこどもにしかできない治療です。出っ歯や受け口は骨格のズレが原因であることが多く、骨の成長を利用できれば改善できるかもしれません。
小児矯正は、3歳から小学校低学年頃に始めるのが最適とされています。
虫歯のリスクを軽減できる
歯並びが大きく乱れていると、歯ブラシが十分に届かない部分が生まれるため虫歯の原因となります。小児矯正で歯並びが整うと、磨き残しが生じにくいでしょう。清潔な口内を保つことが容易になります。
また、適切な噛み合わせを保つことで、歯や顎に無理な負担がかからなくなります。歯の破折や顎関節症などを回避できるでしょう。
抜歯矯正の回避が期待できる
矯正治療を行う際に歯が並ぶ十分なスペースが確保できない場合、抜歯をして矯正することがあります。健康な歯を抜く必要がある抜歯矯正に抵抗がある保護者の方も少なくありません。
小児矯正を行って顎の成長を誘導し、十分なスペースを確保できれば、抜歯の必要性が減少します。早期に小児矯正を受けることで、永久歯を抜歯せずに歯並び・噛み合わせを整えられる可能性が高くなるのです。
悪習癖の改善が期待できる
小児矯正を早期にスタートすることで、正常な顎の成長を促し悪習癖の改善が期待できます。歯科医院では、悪い習慣を持つこどもに対して、筋機能訓練を行う場合が多いです。
筋機能訓練は、口周りや舌の筋肉のバランスを整え、悪習癖を改善することを目的に行われます。悪習癖を改善することで、矯正治療後の後戻りを防げるでしょう。
こどものうちに歯を矯正するデメリット
小児矯正のデメリットは、以下のとおりです。
お子さまやご家族の協力が必要になる
小児矯正では、取り外せるタイプの矯正器具を使用する場合があります。矯正治療の効果を最大限に引き出すためには、歯科医師の指示を守って正しく装置を使用することが大切です。
お子さまの場合、装着のつけ忘れや紛失などのリスクがあります。低年齢のお子さまの場合、ご自身で装置を管理することは難しいでしょう。ご家族のサポートが必要不可欠です。
虫歯のリスクが高くなる
ワイヤー矯正など固定式の矯正装置を使用する場合は、虫歯のリスクが高くなります。装置が歯に固定されていると、食べ残しなどの汚れが歯や装置に付着しやすいです。
汚れが長期間歯に付着すると虫歯の原因となるため、十分なケアが求められます。矯正中に虫歯が発生すると、矯正治療を中止して虫歯の治療を行わなければなりません。全体の治療期間が延長される可能性があります。
治療計画どおり進めるためには、清潔な口内を保つことが必要です。
治療期間が長い
小児矯正を早い時期から行っても、想定外の成長があった場合や細かい歯のねじれがあった場合、歯並び・噛み合わせを整えるために再び矯正治療をすることがあります。再び矯正治療をする場合は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で調整するのが一般的です。
ただし、小児矯正を行っていた場合は、微調整するだけでよいケースが多いです。トータルの治療期間は長くなりますが、ワイヤー矯正やマウスピース矯正の治療期間は短いでしょう。
小児矯正で使用する装置の種類
小児矯正は、1期治療と2期治療に分けられます。以下、小児矯正の1期治療と2期治療で使用する装置の種類をご紹介します。
1期治療
1期治療は、3〜6歳前後からスタートする治療です。成長期の身体の発育を利用して、顎の骨の位置やズレを、装置を使用して正しく補正します。
1期治療は、顎の骨が成長段階である時期にしか行えません。顎の位置やズレを正しく整えることで、永久歯がきれいに並ぶことを目的としています。
1期治療で使用する矯正装置は、以下のとおりです。
拡大床
拡大床は、プラスチックのプレートとワイヤーでできた取り外し式の矯正装置です。歯を外側に移動させて歯の並ぶアーチを広げることで、抜歯せずに歯を並べるスペースを確保します。
ガタガタした歯並び(叢生)の改善に適した治療法です。
急速拡大装置
上顎に固定して、装置に付いているネジを広げて上顎の骨を広げる装置です。土台となる顎の骨から広げて、永久歯が並ぶスペースを確保します。
急速拡大装置は、上顎にしか使用できません。上顎の成長が完了していない思春期までのこどもに適応されるケースが多いです。
しかし、症例によっては成人してからでも一定の効果が得られます。
ムーシールド
受け口の早期治療に使われる装置です。就寝時に使用することで、舌や口周りの筋肉の状態を整えて正常な噛み合わせになるように促します。
3歳から使用可能で、乳歯列の時期に行うと正常な顎の成長を促すことができます。早期に始めることで、十分な効果を得られるでしょう。
マウスピース型矯正装置
4〜9歳頃までの、顎の骨が成長中のこどもに使用すると効果的な装置です。マウスピース型矯正装置は、歯を移動させる方法ではありません。歯並びを悪くする原因となる口周りの筋肉や舌の動きを改善することで、歯並びを改善します。
日中1時間と就寝時のみの装着なので、比較的負担が少ない治療法といえるでしょう。マイオブレースやプレオルソなどが、マウスピース型矯正装置にあたります。
フェイシャルマスク
フェイシャルマスクは、上顎の成長が少ない症例で使用する装置です。額と顎をワイヤーでつなぎ、下顎が動くとワイヤーにつないだゴムが口の中の装置を牽引します。下顎を動かすことで上顎の成長を促すため、上下の顎の成長バランスを整えられるでしょう。
バイオネーター
バイオネーターは、出っ歯や噛み合わせが深い症例で使用される取り外し式の装置です。筋肉の動きを利用して、下顎の前方成長を促します。
下顎と上顎のバランスを整えることで、歯並びや噛み合わせを改善します。
2期治療
2期治療は、下顎の骨の成長がピークを超える16歳前後から始める矯正治療です。生え揃った歯並びを整える矯正になります。歯を細かく移動させて歯並びや噛み合わせを整える、大人の矯正治療と同じ治療です。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、ブラケットを歯に取り付けてワイヤーを通し、歯を移動させる方法です。矯正力が強いので、あらゆる症例に対応できます。
装置は金属製なので、目立つことがデメリットでしょう。また、固定式なので、口腔内の清掃が不十分だと虫歯になるリスクが高くなります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、マウスピースを装着して歯並びや噛み合わせを整える方法です。マウスピースは透明で薄いため、審美性を保ちながら治療できます。
取り外しが可能で自由度が高い治療法ですが、自己管理が重要な治療法です。1日20時間以上マウスピースを装着し、2週間前後で新しいマウスピースにご自身で交換しなければなりません。
適応症例にも限りがあるため、マウスピース矯正を希望する場合は歯科医師に適応か確認してもらいましょう。
小児矯正の費用相場
小児矯正に限りませんが、矯正治療は装置代以外にもさまざまな費用が必要になります。
小児矯正の費用相場は以下のとおりです。
<小児矯正の費用相場>
治療前 | |
カウンセリング料 | 10,000円 |
治療中 | |
装置代 | 1期治療:300,000〜500,000円 2期治療:200,000〜1,000,000円 |
調整料 | 5,000円 |
治療後 | |
保定装置代 | 60,000円 |
定期メンテナンス料 | 3,000〜5,000円 |
1期治療を受けた歯科医院で2期治療に移行した場合、費用が割り引かれることもあります。費用は事前に確認しましょう。
また、歯科医院によってはトータルフィー制度を採用している場合があります。トータルフィー制度では、治療全体の費用を一定とすることが多いです。トータルフィー制度の料金形態も歯科医院によって異なるため、どこまで追加料金がかからないのか確認する必要があるでしょう。
小児矯正は保険が適用される?
小児矯正は、基本的に保険適用外の自由診療になります。そのため、費用は全額自己負担する必要があるでしょう。
ただし、一部の症例に限って保険が適用されます。矯正治療で保険適用となる症例は、以下の条件に該当する場合です。
・厚生労働大臣が認めた先天性疾患にともなう矯正治療
・永久歯の前歯と小臼歯のうち3歯以上に萌出不全がある
・重度の顎変形症があり外科手術前後の矯正治療
上記の疾患に該当している場合は、保険で矯正治療を受けることが可能です。
ただし、国の一定の基準をクリアした一部の医療機関でしか保険治療を受けることができません。事前にホームページなどで、該当する医療機関を確認して受診しましょう。
小児矯正の費用を抑える方法
高額になる小児矯正の費用を抑える方法は、以下のとおりです。
医療費控除を利用する
医療費控除は、1年間に支払った医療費が100,000円を超える場合、確定申告することで所得税の一部が控除される制度です。ご自身だけでなく、ご家族の医療費もあわせて申請できます。
ただし、ご自身で申請しないと控除を受けることはできません。申請には医療費の支払いを証明するものが必要なため、領収書やレシートを保管しておきましょう。
モニターになる
矯正治療のモニターを募集している歯科医院があります。歯科医院によって条件はさまざまですが、歯科医院の求める条件と一致していれば安く小児矯正を受けられるでしょう。
写真の提供や口コミなどを求められるケースが多いので、事前に確認しましょう。
デンタルローンを利用する
一度に高額な費用を支払うことが難しい場合、デンタルローンを利用して分割払いにすることができます。利息が付くためトータルで支払う金額は高くなりますが、まとまったお金を用意できない場合は、利用を検討するとよいでしょう。
デンタルローンは歯科治療に限定したローンなので、カードローンなどと比較して低金利で借入れることが可能です。借入れには審査が必要ですが、ご自身の無理のない範囲で分割して返済できる点が大きなメリットです。
まとめ
小児矯正は、1期治療と2期治療に分けられます。
1期治療では、身体の成長を利用して正常な顎の発育を促します。骨格のバランスを整えて、永久歯がきれいに並べることを目的とした治療です。顎の骨が成長している時期に始める必要があります。
2期治療は、下顎の成長がピークを超えた16歳前後から始めます。生え揃った歯並びのガタつきや傾き・ねじれなどを修正して、歯並びを整える治療です。大人の歯列矯正と同じ方法で行われます。
小児矯正をはじめ歯列矯正は、一部の症例を除いて保険は適用されません。費用は全額自己負担する必要があります。
医療費控除など、治療費を安くする方法もあるので、小児矯正に興味のある方は歯科医院を受診して相談しましょう。
小児矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
マウスピース矯正の費用相場をプロセスごとに詳しく解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
マウスピース矯正を検討している方は、治療にかかる費用が気になる方が多いでしょう。治療を決定する前に「マウスピース矯正の平均費用はいくら?」「部分矯正にかかる費用は?」「安く済ませる方法は?」と考える方もいるでしょう。
今回は、マウスピース矯正の費用相場やプロセスごとに必要な費用について解説します。矯正の費用について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
マウスピース矯正とは?
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使用して歯並びを整える方法です。本来の歯並びから少しずらして作られた複数のマウスピースを使用して、治療を進めます。
1〜2週間ごとにマスピースを交換し、ずれている方向に歯を移動させ、理想とする歯並びを目指します。マウスピース矯正の特徴は、目立ちにくく、手入れがしやすく、そして痛みが少ない点です。
目立たない治療を求める方や、痛みの少ない矯正を希望する方に特に選ばれています。
マウスピース矯正の費用相場
マウスピース矯正は自由診療のため、費用は歯科医院によって異なります。それでも、費用の相場を把握することは重要です。部分矯正と全体矯正で、マウスピース矯正の費用が異なります。
それぞれの費用相場は、以下のとおりです。
・部分矯正:100,000〜400,000円
・全体矯正:600,000〜1,000,000円
部分矯正とは、特定の歯のみの矯正を目的とした方法です。全体の歯並びを整える全体矯正と比べて、矯正が必要な部位が限定されるため費用を抑えられるでしょう。
ただし、矯正費用は使用するマウスピースのブランドや種類によって異なります。ご紹介した費用は目安として参考にしてください。
プロセスごとに発生する費用相場
矯正に関する基本的な費用のほかに、治療のプロセスごとに追加の費用が発生する場合があります。矯正費用のみを考慮すると「予想よりも高額になった」と感じるかもしれません。
また、すべての費用をまとめて提示するトータルフィー制度を取り入れている歯科医院もあります。治療にかかる費用の詳細は、治療を開始する前に十分に確認しましょう。
カウンセリング
治療前のカウンセリングでは、歯並びや噛み合わせの状態、治療方針についての説明を受けます。無料でカウンセリングを行っている歯科医院もあれば、有料の歯科医院もありますが、5,000円程度が一般的です。
精密検査・診断
歯並びや骨格の状態を確認するために、精密検査を行います。精密検査後に、治療方針や必要な費用がわかります。
精密検査の費用も歯科医院によって異なるでしょう。無料の歯科医院もあれば、60,000円前後かかる歯科医院もあります。
外科治療
抜歯や顎の手術など、矯正前に外科的治療が必要とされるケースがあります。外科的治療の費用は手術の種類に応じて変動するでしょう。
抜歯の場合、5,000〜15,000円ほどが相場ですが、顎の手術は200,000〜400,000円かかることもあります。
矯正中:矯正費用と調整料
実際に矯正治療を開始する際は、矯正費用のほかに調整料が発生します。調整料とは、矯正治療中に通院した際に発生する費用です。
通院頻度はマウスピースのブランドによって異なりますが、インビザラインの場合は2〜3か月に一度です。
調整料が不要な歯科医院も存在しますが、10,000円程度の費用がかかる歯科医院もあります。
矯正後:リテーナーの費用
矯正終了後は、歯並びを安定させるためにリテーナーという保定装置を装着します。リテーナーにかかる費用は、別料金としている歯科医院もあるでしょう。
保定期間中も定期的に歯の状態を確認してもらう必要があり、検診料が発生する歯科医院もあります。リテーナーにかかる費用は、60,000円程度です。
マウスピース矯正とほかの矯正方法との費用比較
マウスピース矯正以外の矯正方法として、ワイヤー矯正が挙げられるでしょう。
ブラケットを歯の表側に取り付ける方法を表側矯正、裏側に取り付ける方法を裏側矯正とよび、上の歯は裏側に、下の歯は表側にブラケットを取り付ける方法を、ハーフリンガル矯正とよびます。
それぞれの方法にかかる費用を、表にまとめました。
<マウスピース矯正とワイヤー矯正の費用>
治療範囲 |
全体矯正 |
部分矯正 |
---|---|---|
マウスピース矯正 |
600,000〜1,000,000円 |
100,000〜400,000円 |
表側矯正 |
600,000〜1,300,000円 |
300,000〜600,000円 |
裏側矯正 |
1000,000〜1,700,000円 |
400,000〜700,000円 |
ハーフリンガル矯正 |
800,000〜1,500,000円 |
350,000〜650,000円 |
マウスピース矯正と、表側矯正の費用に大きな差はありません。
しかし、裏側矯正の費用は高額になります。目立たない矯正を重視した裏側矯正をするのであれば、マウスピース矯正のほうが安いです。
マウスピース矯正は保険が適用される?
多くの場合、マウスピース矯正には保険が適用されません。日本矯正歯科学会のホームページによると、矯正治療に保険が適用されるのは、次の特別なケースです。
・「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合以上に対する矯正歯科治療
・前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
・顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
引用元:日本矯正歯科学会
上記に該当しない場合は、自由診療となります。
マウスピース矯正の費用を安く抑える方法
特例に該当する場合を除き、マウスピース矯正は自由診療です。そのため、矯正治療に高額な費用を支払わなければなりません。
矯正にかかる費用をできるだけ抑えたいと考える方が多いでしょう。マウスピース矯正の費用を安くするための方法を、4つご紹介します。
マウスピースの装着ルールを守る
マウスピースを使用する際は、装着ルールを守ることが大切です。適切な装着時間、正しい装着方法、お手入れ方法などを守りましょう。
指定された装着時間を守らず、間違った方法で装着すると、歯が計画どおりに動かず治療期間が延びるリスクがあります。正しいお手入れを行わないと、マウスピースが破損する可能性があるでしょう。
治療期間が延びると通院回数が増え、マウスピースの再作成が必要になることもあります。追加で費用がかかるので、治療計画どおりに矯正を進めるためにマウスピースの装着ルールを守ってください。
トータルフィー制度を採用している歯科医院を選ぶ
トータルフィー制度を採用している歯科医院を選ぶことで、矯正治療をリーズナブルに受けられます。先述したように、矯正治療では、プロセスごとに費用が発生する場合が多いです。
装置の調整やトラブルへの対応、治療後の検診など、追加費用が積み重なると、思っていた以上に高額になる可能性があるでしょう。
しかし、トータルフィー制度を採用している場合、精密検査、マウスピース、調整、リテーナーなどにかかる費用がすべて含まれています。提示された費用を上回ることがないので、安心して治療を受けられるでしょう。
ただし、トータルフィー制度を採用している場合でも、どの内容まで含まれているのかは歯科医院によって異なります。治療を開始する前に、トータルフィー制度に含まれる内容を確認しましょう。
医療費控除を利用する
医療費控除を利用できる場合は、利用するとよいでしょう。医療費控除とは、1年間に支払った治療が100,000円以上の場合、確定申告すると税金の一部が還付される制度です。
「不正咬合が影響して発音が悪い」「噛み合わせが悪くて顎に負担がかかっている」「歯並びが悪くて噛みにくい」など、医療目的のために矯正をする場合は、医療費控除の対象になります。確定申告の際に必ず申請しましょう。
しかし、審美目的のために矯正治療を受ける場合は、医療費控除の対象にはなりません。
参照元:「医療費を支払った時(医療費控除)」国税庁・「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」国税庁
モニターに応募する
モニター募集に応募すると、マウスピース矯正の費用を安く抑えられるでしょう。マウスピース矯正に力を入れている歯科医院では、頻繁にモニターを募集している場合が多いです。
モニターとして参加することで、通常のマウスピース矯正の費用より安く治療を受けられる可能性があります。興味がある方は、モニター募集の条件や期間など、詳細を確認しましょう。
まとめ
マウスピース矯正は、目立ちにくく痛みが少ないため、多くの方に選ばれている矯正方法です。
費用は、使用するマウスピースのブランドや歯並びの状態によって異なります。部分矯正の場合は100,000〜400,000円、全体矯正の場合は600,000〜1,000,000円程度の費用がかかるでしょう。
矯正治療そのものにかかる費用とは別に、プロセスごとに追加料金がかかる可能性も考慮する必要があります。「予算オーバーしてしまった」という理由で治療を中断しないためにも、初めに総額を確認しましょう。
マウスピース矯正の費用を安く抑えるためには、マウスピースの装着ルールを守ることが重要です。モニターに応募すること、トータルフィー制度を採用している歯科医院を選ぶことも検討するとよいでしょう。
治療の内容や費用について納得したうえで、最良の矯正治療を受けてください。
マウスピース矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。