歯のコラム
2024.03.12

インビザライン矯正後に起こる「後戻り」とは?原因と対処法を解説!

こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
インビザラインのマウスピース

インビザライン矯正後、歯並びが元の状態に戻ってしまうことがあり、それを後戻りといいます。長い治療期間をかけて少しずつ動かした歯が、なぜ戻ってしまうのでしょうか。

今回は、後戻りが起こる原因と防ぐための方法を解説し、実際に後戻りしてしまった際の対処法をご説明します。

インビザライン矯正後に起こる「後戻り」とは?

インビザライン矯正後に起こる「後戻り」に悩む若い女性
インビザライン矯正に限らず、矯正治療は計画通りに歯が動き、歯並びや噛み合わせが整ったら終わりというわけではありません。その後に治療期間と同程度の保定期間があり、この期間はリテーナー(保定装置)を装着する必要があります。

保定期間を設けているのは、治療後そのままにしていると歯が元の歯並びに戻ってしまう、後戻りという現象が起こることがあるからです。

後戻りにも程度があり、最後に使用していたマウスピースをしばらく装着すれば元に戻る場合もあれば、ほとんど初めから治療をやり直さなくてはいけないこともあります。

後戻りが起きてしまう理由は、矯正治療直後の歯を支えている骨は不安定な状態だからです。歯の根と歯茎の間にある歯根膜(しこんまく)が、元の状態に戻ろうとするのです。

何も装着せず放置しておくと、いつの間にか歯並びが元に戻ってしまうことがあります。

インビザライン矯正後に後戻りが起こる原因

顎が成長した人
インビザライン矯正後、保定が不十分であった場合は時間の経過とともに後戻りします。また、リテーナーを装着していても、以下のようなケースでは後戻りすることがあります。

歯並びに悪影響を及ぼす癖が改善されていない

片側のみで噛む、頬杖をつく、指を噛む、舌で歯を押すといった、歯並びに悪影響を及ぼす癖が矯正治療後も残っている場合は、後戻りしやすくなります。意識してそのような癖を直す必要があるでしょう。

矯正治療後に顎が成長したため

顎の成長は、歯並びに大きな影響を及ぼします。通常、顎の骨は612歳頃に急激に成長し、20歳頃には止まります。

しかし、人によっては20歳をすぎても顎が成長します。その前に矯正治療をした場合は整えた歯並びが乱れることがあるのです。

また、親知らずが生える際に十分なスペースがないと、前にある歯を押すように生えることもあります。そうすると、歯並びが乱れてしまうでしょう。

歯周病により顎の骨が溶かされたため

歯周病が進行すると、顎の骨が溶かされます。歯や歯茎が不安定な状態になり、徐々に動いて後戻りすることがあるのです。

矯正治療前より悪い状態になることもあるので、治療中だけでなく治療後も口腔内のケアはしっかり行いましょう。

強引に抜歯せずに治療したため

すべての歯がきれいに並ぶスペースがない場合は、抜歯してスペースを作って治療することがあります。

しかし、患者さまによっては「どうしても健康な歯を抜きたくない」と思うこともあるでしょう。そのため、本来は抜歯しなくてはいけない状態でも、抜歯をせずに強引に治療を行うケースがあります。

歯を並べるスペースが足りないのに強引に歯を詰め込むように治療すると、後戻りしやすくなります。骨格に問題があり外科手術が必要なのに、外科手術をせず矯正した場合も後戻りしやすいです。

インビザライン矯正後の後戻りを防ぐためには

インビザラインのマウスピース
時間と費用をかけて矯正治療をしたのに、後戻りするのは避けたいと思う方が多いでしょう。ここからは、後戻りを防ぐためのポイントを解説します。

保定期間はリテーナーを正しく装着する

特に矯正治療が終わった直後は、リテーナーを正しく装着する必要があります。保定期間は治療期間と同程度とする歯科医院が多く、リテーナーの装着時間が長いので面倒に感じる方もいるでしょう。

しかし、保定期間中も決められた時間リテーナーを装着しなければなりません。後戻りして再び治療するほうが大変なので、リテーナーは正しく装着してください。

装着しやすいリテーナーを選ぶ

リテーナーは、大きく分けて3種類あります。患者さまのライフスタイルに合わせて選びましょう。

ワイヤー型

固定式のワイヤーのリテーナーで、歯の裏側に装着します。自分では外せないため、1日中装着し続けることになります。

歯を直接押さえているため、効果は高いといえるでしょう。歯磨きの際は、ワイヤーの周囲をしっかり磨き、清潔に保つ必要があります。

リテーナーを取り外すのが面倒な方や、目立たないリテーナーを選択したい方に選ばれることが多いです。

プレート型

歯の内側にあるプレートと、外側にある細いワイヤーで歯を挟むように装着するリテーナーです。装着したばかりの頃は発音しにくいと感じる方もいますが、しばらくすると慣れるでしょう。フィット感があるので、噛みやすいです。

歯の前にでるワイヤーは、透明や白いものなど目立ちにくいものも選択できることがあります。取り外しができるため、装着時間を守ることが大切です。

マウスピース型

インビザラインのマウスピースと同じように、透明なマウスピース型のリテーナーです。装着していても目立たないので、人前で話をする方に向いているかもしれません。

歯並びを維持しやすいですが、噛み合わせを安定させたい方、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方には不向きです。

歯並びに悪影響を及ぼす癖を直す

片側だけで物を噛む、頬杖をつくなど、歯並びに悪影響を及ぼす癖は後戻りの原因になります。自分でも気づかずに無意識にしていることもあります。

日常生活を見直して、そうした癖がある場合は意識して改善しましょう。

毎日のセルフケアを徹底し、定期検診を受ける

歯周病が進行すると顎の骨が溶けて歯が動き、後戻りすることがあります。食後のセルフケアを徹底し、口内を清潔に保ちましょう。歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使用するとしっかり汚れを落とせます。

また、定期検診に通い、お口のクリーニングを受けることも歯周病予防には欠かせません。必要に応じて、歯質を強くするフッ素を塗布してもらうのもよいでしょう。

無理のない治療計画を立てる

歯を削ったり、抜歯をしたりすることに抵抗を感じる方も少なくありません。

しかし、歯が並ぶ十分なスペースがないのに強引に治療を進めると、後戻りする可能性が高まります。担当の歯科医師と相談し、無理のない治療を選択しましょう。

インビザライン矯正後に後戻りを起こしたときは

インビザラインの後戻りの相談
インビザライン矯正後に後戻りしてしまったとき、どのように対処すべきなのでしょうか。実際に後戻りした際の対処法を解説します。

保定装置を正しく装着する

軽度の後戻りの場合は、リテーナーを正しく装着し続ければ改善できることがあります。また、最後に使用した治療用のマウスピースを使用して改善を図ることもあります。

いずれにしても、どの程度後戻りしているかは患者さま自身では判断できません。後戻りしているように感じたときは、歯科医師に相談してください。

再治療をする

大きく後戻りしてしまった場合、リテーナーを装着しただけでは改善できないかもしれません。再びインビザラインのマウスピースを装着するか、ワイヤー矯正に切り替えて再治療を行います。

再治療の期間や費用は、後戻りの程度によって異なります。

まとめ

インビザラインの治療イメージ
矯正治療によって歯が計画通りに動いても、そのまま何もしないと歯は自然と元の位置に戻ろうとします。そのため、顎の骨の状態が安定するまでリテーナーを装着する必要があります。

保定は矯正治療にかかった期間と同程度とする歯科医院が多いです。長いと感じるかもしれませんが、必ず歯科医師の指示に従ってリテーナーを装着しましょう。

虫歯や歯周病を予防し、歯並びに悪影響を及ぼす癖を直すことも大切です。

矯正治療後に後戻りしていると感じたときは、歯科医師に早めに相談しましょう。後戻りしたとしても、軽度であればリテーナーを正しく装着するだけで改善できることがあります。

インビザライン矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。

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