歯のコラム
2024.02.20

子どものすきっ歯は治療すべき?すきっ歯の原因と放置するリスク

こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
すきっ歯の女の子

すきっ歯は目立つため、歯並びが悪くなるのではないか、このままにしておいていいのかと悩む方も少なくないでしょう。お子さまの発育状況やすきっ歯になってしまった原因によって、対応は異なります。

今回は、すきっ歯になる原因や放置した場合のリスク、歯科医院で行う治療法などを、ケースごとに解説します。

すきっ歯とは?

すきっ歯の女の子
すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間ができている状態のことです。歯科用語では空隙歯列(くうげきしれつ)と言います。

すきっ歯は、乳歯と永久歯が混在する時期に生じやすいです。すべての歯が永久歯に生え変わると、隙間がなくなることも少なくありません。

真ん中の歯に3mm以上隙間があるケースや、犬歯が生えた後も隙間が閉じないケースでは、矯正治療が必要になることがあります。

子どもがすきっ歯になる原因

指しゃぶりする男の子
乳歯の段階では、すきっ歯でも基本的には問題ありません。乳歯よりも永久歯は大きいため、永久歯に生え変わることで隙間はなくなるからです。

すべての歯が乳歯なのに隙間なくきれいに並んでいると、永久歯になった時に歯が歯並ぶスペースがなくなる可能性があります。そのため、将来的に歯並びが乱れてしまう可能性があります。

乳歯と永久歯がある混合歯列期でも、すきっ歯になることは珍しくありません。一時期的なものであるケースが多く、生え変わりが進めば改善することが多いです。

しかし、下記のような原因から、永久歯になってもすきっ歯が改善しないことがあります。

3歳以降も指しゃぶりを頻繁にしている

指しゃぶりは、生後2〜4ヶ月頃から始まる行為です。指しゃぶりをすると前歯の裏側に力が加えられるため、長い間続けているとすきっ歯の原因になります。

最初は遊びとして始まり、幼児においては気持ちを落ち着かせるためにすることが多いです。そのため、強引にやめさせることは難しいでしょう。

3歳頃も頻繁に指しゃぶりをしている場合は、改善したほうがよいかもしれません。他に気を紛らわせる遊びをしたり、指しゃぶりをしなかったことを褒めたりして、徐々に頻度を減らしてください。

3歳以降でも、¥眠る前だけ行っているなど、頻度が高くなければ無理にやめさせる必要はありません。禁止されたストレスから、親に隠れて指しゃぶりをするなど別の問題につながる可能性もあるでしょう。

徐々に頻度が減っていれば過度に心配する必要はないので、お子さまに合わせて改善できるよう促してあげてください。

口呼吸をしている

口周りの成長にとって、鼻呼吸をすることは大切です。鼻呼吸の場合は通常口を閉じているため、口周りの筋肉のバランスが整いやすいためです。上顎に舌がついた状態になるので、顎に自然な力がかかり、顎の成長が促されます。

口呼吸をしていると口が開いていることが多くなり、舌が歯にあたって力をかけます。出っ歯だけでなく、すきっ歯の原因にもなり得るでしょう。

歯と顎の大きさのバランスが悪い

顎の大きさに対して歯が小さい場合は、すきっ歯になることがあります。顎が小さい場合、歯が並びきらないので歯並びが乱れるでしょう。どちらの場合も矯正治療が必要です。

生えてくるべき歯が生えない

生えてくるべき歯が生えない、あるいは、元々歯の本数が不足している先天性欠損の場合は、すきっ歯になりやすいです。歯の本数が少なくても顎のサイズは変わらないので、隙間が生じるのです。

埋没した過剰歯がある

本来の本数以上に存在している歯を過剰歯といいますが、それらは顎の骨に埋まっていることがあります。歯が左右に押し開かれて、すきっ歯の原因になります。

噛み合わせが深い

通常の噛み合わせでは、上の歯が下の歯を軽く覆っている状態になります。噛み合わせが深く、下の歯がほとんど見えないような状態になっていると、すきっ歯になりやすいです。

奥歯を失ってそのままにしている

虫歯などによって奥歯を失った時にそのままにしておくと、周辺の歯が自然と後ろへと移動してしまいます。そのため、前歯部分の隙間が大きくなる可能性が高いでしょう。

上唇小帯の異常

歯茎と上の唇をつなぐ筋(上唇小帯)も、すきっ歯の原因になり得ます。通常よりも長い場合や厚い場合、歯と歯の間に入り込むのですきっ歯になるのです。

子どものすきっ歯を放置するリスク

子どものすきっ歯を放置するリスクイメージ
子どものすきっ歯を放置すると、下記のとおりさまざまなデメリットがあります。

目立つため見た目にコンプレックスを感じる

特に前歯のすきっ歯の場合は、口を開けるとすぐに目につきます。コンプレックスに感じ、人と会話することに消極的になる可能性があるでしょう。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

どれくらいの隙間があるかにもよりますが、歯と歯の間に隙間があると、そこに食べかすが挟まりやすくなります。歯磨きしても除去しにくいこともあるでしょう。

歯間ブラシやデンタルフロスを頻繁に使わない場合は、不衛生な状態が長く続くので虫歯や歯周病のリスクが高まります。

発音しにくくなる

すきっ歯の方の場合、歯と歯の隙間から息がもれてしまいます。その影響から、特にサ行やタ行の発音が不明瞭になるケースがあります。

噛み合わせが悪くなる

すきっ歯の上おたいでは、噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。しっかりと物を噛めなくなるため、胃腸に負担がかかり体調不良にもつながります。

子どものすきっ歯は治療すべき?

子どものすきっ歯は治療すべきか考える女性
子どものすきっ歯は、成長段階によって治療するかどうか慎重に検討しなければなりません。

すべて乳歯の場合は、成長と共に乳歯が抜けて大きな永久歯が生えてきます。乳歯のみの段階で歯と歯の隙間があっても、永久歯になった時に隙間が埋まる可能性は高いです。

前歯などがすきっ歯だと目立つので気になるかもしれませんが、こうしたケースでは治療は行われないことが多いでしょう。

すでに永久歯に生え変わっているにも関わらずすきっ歯である場合は、治療したほうがいいかもしれません。

子どものすきっ歯の治療法

すきっ歯の治療
すきっ歯の治療は、原因によって以下のように異なります。

永久歯が小さいケース

永久歯のサイズが小さいことですきっ歯になっている場合は、矯正治療やレジンで隙間を埋める、被せ物をするといった治療が行われます。レジンは手軽な方法ですが、経年劣化しやすい素材のため、早いうちに再治療が必要となるでしょう。

被せ物を装着する場合は、健康な歯を削る必要があります。

歯の本数が少ないケース

歯の本数が少ないためにすきっ歯になっている場合は、矯正治療を行って隙間を埋めた後、インプラントやブリッジ、義歯などで歯を補うことになります。

指しゃぶりや口呼吸など口周りの癖が原因のケース

指しゃぶりや口呼吸など、すきっ歯につながる口周りの癖が原因の場合は、それらを改善する必要があります。歯科医院ではMFT(口腔筋機能訓練)を行っているので、まずはトレーニングを受けましょう。その後に矯正治療を行い、歯並びを整えます。

埋没した過剰歯があるケース

歯茎の中にある過剰歯によってすきっ歯になっている場合は、過剰歯を抜歯します。その後に矯正治療を行って、歯並びを整えます。

噛み合わせが悪いことが原因のケース

噛み合わせが悪いことによってすきっ歯になった場合は、矯正治療によって改善します。噛み合わせの状況に応じて矯正装置を選択するので、まずは歯科医院に相談しましょう。

上唇小帯が原因のケース

上唇小帯が原因でも成長と共に改善することがありますが、永久歯が生えそろっても改善しない場合もあります。その場合は上唇小帯を切除した後に、矯正治療を行います。

まとめ

笑顔の親子
子どものすきっ歯は、子どもの成長の段階によって治療するかどうかが異なります。

乳歯のみの状態や、乳歯と永久歯が混ざっている状態では、大きな永久歯に生え変わることによって自然とすきっ歯が改善されることが少なくありません。そのため、ほとんどの場合は経過観察となります。

すきっ歯は、指しゃぶりや口呼吸などの口周りの悪い癖、上唇小帯の異常、過剰歯や歯の本数が少ないケースで生じていることもあります。その場合は、永久歯に生え変わった後もすきっ歯は改善されないので治療が必要です。

すきっ歯を放置しておくと、見た目が悪いだけではなく、虫歯や歯周病、噛み合わせが悪くなる、発音に支障がでるといった悪影響があります。

すきっ歯の治療を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。

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