こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
こどもが受け口だと気づいた時、そのままにしておけば自然と治るのか、治療をするべきなのか悩むのではないでしょうか。結論からいうと、受け口は歯並びの問題だけではなく、身体全体にも影響があるので可能な場合は早いうちに治療すべきです。
今回は、受け口を放置してはいけない理由や治療方法、治療期間や費用などを解説します。お子さまの受け口が気になる方は参考にしてください。
受け口とは?
本来の正しい歯並びでは、上の歯が下の歯より前に出る状態で噛み合います。それが逆になっていて、下の歯のほうが前にでているのが受け口です。反対咬合、下顎前突ともいいます。
受け口は見た目がよくないというだけではなく、噛み合わせが悪い状態になるのでさまざまな弊害があります。一部の歯に負担がかかってしまうので、その歯が欠けたり、ぐらぐらしたりします。歯が傷ついたり、歯肉が下がることもあるでしょう。
また、噛み合わせがずれると、顎をずらして噛むようになる可能性があります。それを続けると骨格の歪みにつながるでしょう。
このような状況を避けるために、受け口の方は早期に治療を受けることが大切です。
こどもが受け口になる原因
こどもが受け口になってしまうのは、上顎が小さくて下顎が大きいなど、骨格が関わることが多いです。そのため、遺伝の要素もありますが、以下のような後天的なことが原因になるケースも少なくありません。
指しゃぶりの癖
指しゃぶりは小さなこどもに多くみられる癖で、心を落ち着かせるために行うことが多いです。無理にやめさせることは難しいですが、3~4歳になったら自然にやめられるように促してあげましょう。
指しゃぶりをしていると、前歯で指に押されている状態が長く続きます。歯が傾斜して受け口になってしまうことがあります。
短期間であれば大きく影響することはありませんが、数年間続けるとリスクは増すでしょう。指しゃぶりだけではなく、頬杖をつく癖、前歯を舌で押す癖なども受け口の原因になります。
口呼吸している
本来の呼吸方法は鼻呼吸です。鼻呼吸であれば口を閉じているため、舌が上顎についています。上顎にあるのが舌の正しい位置ですが、この時上顎に力がかかるため、上顎の成長が促されます。
口呼吸をしている場合は、口を開け続けることになります。上顎が十分に成長しないので、受け口になる可能性があるのです。
口呼吸をしていると口が乾きやすく虫歯のリスクが増すので、この点を考慮しても改善する必要があります。
こどもの受け口を放置してはいけない理由
受け口は早いうちに対処して、治すほうがよいとされています。場合によっては3歳頃から治療をスタートするケースもあります。
こどもの受け口を放置してはいけない理由を解説します。
下顎が目立ってしまう
下顎が突き出した状態をしゃくれといいますが、場合によってはそれが目立ってしまうことがあります。コンプレックスを感じるこどももいるので、早いうちに治療を受けるとよいでしょう。
噛みにくくなる
受け口の方は、うまく上下の歯が噛み合いません。食べ物が噛みにくくなってしまいます。
しっかり噛めないと唾液の分泌量が少なくなり、虫歯の原因にもなります。十分に咀嚼できてないと、消化不良にもつながります。
発音しにくくなる
受け口の方は、舌の位置が正常な場合よりも前方に出てしまうことが多いです。この場合、特にサ行、タ行、ダ行の発音がしにくくなり、滑舌が悪くなってしまいます。
顎関節症になることがある
受け口の状態では噛み合わせが悪いため、歯だけではなく顎の骨にも通常よりも負担がかかります。負担がかかり続けると。顎関節症になってしまうこともあります。
顎関節症は、口を開けた際に痛みを感じたり、カタカタと音がしたり、違和感があります。
身体が歪んでしまう
悪い噛み合わせは、頭や首だけではなく背骨や骨なども歪ませてしまうこともあります。身体が歪むことで、頭痛や肩こり、腰痛などの不調につながることもあるでしょう。
こどもの受け口を治す方法
こどもの受け口は成長と共に自然と治ることもありますが、その確率は高くはありません。そのため、受け口に気づいたらなるべく早めに対処することが大切です。
トレーニングをする
受け口を治すためのお口周りのトレーニングがあります。歯科医院で正しい方法を習って実践するのもよいでしょう。
こどもが行うためトレーニング内容を理解できる年齢に達している必要があります。
マイオブレースやプレオルソによる治療
こども用の矯正装置であるマイオブレースやプレオルソによって、受け口を治療できます。どちらも3~4歳からと低年齢で始められる治療です。
装着時の痛みが少なく、装着時間も短いので、子供への負担は少ないでしょう。
拡大床やマウスピース矯正による治療
拡大床は、顎の成長を利用しながら顎の骨を広げる矯正装置です。受け口の治療も可能でしょう。
取り外しできるため、衛生的も使いやすいメリットもあります。また、固定式の急速拡大装置でも受け口の治療は行えます。
インビザラインなど、マウスピースによる小児矯正でも受け口の治療は可能です。
こどもの受け口を治すためにかかる期間
歯科医院で行うこどもの受け口の主な治療は、マイオブレースとプレオルソ、拡大床、急速拡大装置、マウスピース矯正があげられます。歯並びの状態にもよりますが、治療にかかる期間の目安は以下のとおりです。
<治療方法と治療期間>
治療方法 |
年齢 |
治療期間 |
マイオブレース |
3~15歳 |
2年程度 |
プレオルソ |
3~10歳 |
1年程度 |
拡大床 |
6~11歳 |
1~2年程度 |
急速拡大装置 |
6~11歳 |
2週間~2ヶ月程 |
マウスピース矯正 |
6~10歳 |
1年半~2年程度 |
こどもの受け口を治すためにかかる費用
こどもの受け口を治療するために必要な費用は装置ごとに異なります。それぞれ解説します。
<治療方法と費用>
治療方法 |
装置費用+検査費用 |
診察費用/月 |
マイオブレース |
20万~50万円 |
2,000~5,000円 |
プレオルソ |
5万円前後 |
2,000~5,000円 |
拡大床 |
10万~30万円 |
2,000~5,000円 |
急速拡大装置 |
10万~30万円 |
2,000~5,000円 |
マウスピース矯正 |
30万~70万円 |
2,000~5,000円 |
歯列矯正には基本的に保険が適用されないので、費用は歯科医院によって異なります。実際の費用は、司会員に問い合わせると良いでしょう。
こどもが受け口になるのを予防する方法
骨格が遺伝するため、受け口も遺伝することもあります。後天的な癖によって受け口になることもあるため、それは予防が可能です。
赤ちゃんの時に、顎や口周りの筋肉を発達させるよよいでしょう。できる限り母乳を与えたり、吸う力がつきやすい哺乳瓶を使うことを検討してください。
受け口は早いうちに治療できるので、小さな頃から歯科医院を受診すると良いでしょう。赤ちゃんのうちから歯科医院に通い、定期検診を受けてください。歯科医院に慣れていれば、抵抗なく治療を受けられる可能性があります。
虫歯だけではなく、歯並びにも問題がないか注視していくことも重要といえます。
まとめ
こどもの受け口は、見た目だけではなく、噛む・話すといった口腔機能に影響を及ぼします。顎関節症や体の歪みを引き起こす恐れもあります。
そのため、お子さまの受け口に気づいた時は、早めに歯科医院にご相談ください。
お子さまの年齢や発達によっては、すぐに治療を開始するのは難しいケースもあるでしょう。可能な場合は、大きな影響がでないうちに治療を始めます。
子どもの受け口の治療を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。