こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
インビザライン矯正は装置が目立ちにくいことから非常に人気です。
しかし、歯列矯正は痛いというイメージをお持ちの方も多いので、なかなか治療に踏み込めない場合もあるのではないでしょうか。
今回は、インビザライン治療中の痛みの種類と原因や、痛みはどれくらい続くのか、痛みを軽減する方法などを解説します。
インビザライン治療中の痛みの種類と原因
インビザライン治療中の痛みは、以下のとおりです。
・歯が動くときの痛み
・マウスピースを着脱する際の痛み
・マウスピースが口内に触れた痛み
それぞれ確認しましょう。
歯が動くときの痛み
矯正装置を使って歯を動かす際に、痛いと感じることがあります。歯が動くときの痛みは、歯槽骨(しそうこつ)と歯根膜(しこんまく)が関係しています。
歯槽骨は、歯を支えるための顎の骨のことです。歯根膜とは、歯と骨の間にあるコラーゲン性の膜のことで、歯や歯槽骨を衝撃から守るクッションの役割を担っています。
矯正治療で歯に力をかけると、移動する方向にある歯槽骨が吸収され、反対側のすき間に新たに骨が作り出されます。歯を支える骨が吸収と再生を繰り返すことで、歯が移動するのです。
歯を動かす過程で痛いと感じやすいのは、歯槽骨が吸収されるときと、歯が動くことで歯根膜が伸縮したときといわれています。ジンジンとした痛みや歯が浮くような感覚は、歯槽骨と歯根膜が矯正力によって刺激されていることが理由でしょう。
マウスピースを着脱する際の痛み
インビザライン治療で使用するマウスピースを着脱する際にも痛いと感じる場合があります。
インビザライン矯正は、少しずつ形の違うマウスピースを交換しながら理想の歯並びを目指します。現在の歯並びとは違う形のマウスピースを使用するため、新しいマウスピースに交換したばかりのころは、特に着脱の際に痛いと感じるでしょう。
長期間マウスピースを装着せずに過ごしていた場合も、着脱時に痛いと感じることがあります。インビザラインでは、1日20〜22時間マウスピースを装着する必要があります。
装着時間が短いと歯がしっかりと動きません。長期間マウスピースを外していると、歯がもとの位置に戻ろうとする後戻りが起きる可能性があります。
後戻りが起きると、作られたマウスピースと後戻りをした歯列のずれが大きくなります。無理にマウスピースを装着すると痛いと感じるでしょう。
インビザライン矯正では、アタッチメントとよばれる透明の突起を歯の表面につけることがあります。アタッチメントには、マウスピースの密着性を高める、歯にかける矯正力を調整するなどの役割があります。
アタッチメントは専用の接着剤を使って歯に取り付けるため、マウスピースのようにご自身で取り外すことはできません。そのため、マウスピースの着脱の際に、アタッチメントが引っかかって痛いと感じることがあります。
マウスピースが口内に触れた痛み
インビザライン矯正を含むマウスピース矯正で使用するマウスピースは、なめらかな素材でできています。表面を舌で触っても、痛みや違和感を覚えることはほとんどないでしょう。
しかし、マウスピースの縁が尖っている場合やガタガタしている場合、口内が傷つき痛いと感じることがあります。縁が歯茎に当たる場合や、舌で触れたときに痛いと感じる場合は、通院中の歯科医院に相談しましょう。縁を研磨するなど、調整できることがあります。
アタッチメントが口内に触れて痛いと感じることもあるでしょう。基本的にインビザライン矯正中は、歯磨きや食事の時間以外はマウスピースを装着して過ごします。アタッチメントが露出することは少ないでしょう。
しかし、マウスピースを外したときにアタッチメントが唇の内側に触れることはあります。痛いと感じる可能性や、舌を傷つける可能性もゼロではありません。
インビザライン治療中の痛みはどれくらい続く?
痛みの種類について解説しましたが「痛みはどれくらい続くんだろう?」「耐えられるのかな?」と不安になる方も多いでしょう。
インビザラインの痛みはどれくらい続くのかを解説します。
歯が動くときの痛み
矯正力による痛みは、マウスピースを交換したタイミングで生じることが最も多いです。徐々にマウスピースが馴染み、痛いと感じなくなるでしょう。
痛みのピークは交換後1〜2日程度です。長くでも1週間程度で痛いと感じなくなります。
マウスピースを着脱する際の痛み
着脱の際の痛みも、マウスピースを交換したときに感じやすいです。2日〜1週間程度で落ち着く場合が多いでしょう。
しかし、あくまで1日20〜22時間の装着時間を守っていた場合です。後戻りが起きている場合、痛みが長く続く、マウスピースがうまく入らないなどのトラブルにつながる可能性があるでしょう。
何か違和感があるときは、歯科医師に相談してください。
マウスピースが口内に触れる痛み
マウスピースが口内に触れることで生じる痛みは、時間の経過とともに治るものではありません。同じ部分に当たり続けると口内炎の原因になるので、歯科医院に相談しましょう。
マウスピースの縁を削ってなめらかに整えるなど、対応できることがあります。
インビザライン治療中の痛みを軽減する方法
最後に、インビザライン治療中の痛みを軽減する方法を確認しましょう。主な方法は、以下のとおりです。
・硬い食べ物を避ける
・矯正用ワックスを使用する
・鎮痛剤を飲む
それぞれ解説します。
硬い食べ物を避ける
インビザライン治療中に痛いと感じるときは、硬い食べ物など歯に強い衝撃を与えるものは避けたほうがよいでしょう。うどんやおかゆ、スープなどの柔らかい食べ物を食べるようにして、歯に必要以上刺激を与えないように過ごしてください。
矯正用ワックスを使用する
食事中などマウスピースを外したときに、アタッチメントが口内に当たって痛い場合は、矯正用ワックスを使うとよいでしょう。
矯正用ワックスとは、矯正装置を覆うことで口内を保護するワックスです。アタッチメントの突起部分を覆うことで、違和感を軽減できるでしょう。
米粒程度に小さく取ってアタッチメントに取り付けます。飲み込んでも体に影響のない素材でできているので、食事中でも安心して使用できます。
ただし、マウスピース装着時には歯科用ワックスを外してください。マウスピースとアタッチメントのフィット感が損なわれるためです。
鎮痛剤を飲む
インビザライン治療中に我慢できないほど痛いと感じるときは、鎮痛剤を飲むとよいでしょう。可能であれば、矯正治療を受けた歯科医院で処方された鎮痛剤を飲んでください。
市販されている鎮痛剤には、歯の移動を遅らせる成分が入っている場合があります。簡単に表現すると、矯正治療では歯周組織の炎症を利用して代謝を促進し、歯を移動させます。
そのため、炎症反応を抑える効果がある鎮痛剤を常用すると、歯の移動が遅れる可能性があるのです。市販されている鎮痛剤を飲む場合は、歯科医師に問題がないか確認するとよいでしょう。
まとめ
インビザライン矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛いと感じにくい矯正方法です。
しかし、マウスピースを使って歯を動かす過程で、痛みが生じる可能性はゼロではありません痛みの種類としては、歯が動くときの痛み、マウスピースを着脱する際の痛み、マウスピースが口内に触れる痛みなどが挙げられます。
痛みは2日〜1週間程度で落ち着くことが多いです。マウスピースが口内の粘膜に触れて痛い場合は、歯科医院でマウスピースを削ってもらうなど対応してもらいましょう。
インビザライン矯正にお悩みのある方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。